04 実践編 その2

泳がせ釣り

 ファミリーにお勧めの泳がせ釣りです。なんといっても新鮮で美味しいアジ釣りを楽しんだあと、さらに美味しいタチウオが狙えるとあって人気が高い釣り方です。日が落ちる前に釣場へ到着して、エサ兼おかず用のアジを釣った後、スムーズにタチウオ釣りへ移行できます。
 タチウオ釣りに活きた餌の効果はバツグンです。なにしろタチウオが普段食べているエサで、自分から動いて誘ってくれるうえにエサ持ちも最高。もしこれで釣れなければ、そこにタチウオはいないと考えてもいいでしょう。しかし、活アジが確保できないと困るので、念のため冷凍キビナゴなどを用意しておきましょう。
 泳がせ釣りは、ケミホタル のウキ釣り仕掛けに2本鈎ワイヤーで活き餌を掛けるだけです。コツはやや浮力の大きいウキを用意すること。活き餌の動きかタチウオのアタリか分かりにくいので注意が必要です。ウキが完全に海中に入って、浮き上がって来ない場合は数秒待ってから合わせを入れます。沿岸のタチウオはいったんエサの腹部に噛みつき、もう一度頭から飲み直す習性があります。完全にエサを飲み込むまでに時間がかかるので、食い込ませるまでの間合いを取ることが重要です。とくにアジはイワシに比べて時間がかかるので、合わせのタイミングを遅くします。

泳がせ釣りの基本仕掛け

タチウオ名人yuzan氏の中通し仕掛け

鈎外しのスピードアップ

ウミホタル - 見やすい球型ヘッドで、上から見下ろす釣り場でも遠くまで流す場合も、とにかく視認性抜群!
からまんホタル - 夜釣りに便利なウキ止めマーカー

ルアー

ピンポイントをダイレクトに狙う!

 タチウオはフィッシュイーターなので動くものに反応します。ルアーは小魚に似た振動でもタチウオにアピールしますが、最後の捕食は視覚に頼るため、ルアーが見えるだけの外光が必要になります。喰いが立つ夕暮れから夜間にかけてはルアーの場所を教えるための ケミホタル が欠かせません。
 入門用としてまず、操作が比較的簡単なバイブレーションタイプを用意してください。比重が重いので遠くまで飛ばすことができ、ただ巻き上げるだけのリトリーブでアクションをしてくれます。次はシンキングミノーを試してみましょう。ミノーとはハヤのこと。シンキングとは水に沈むタイプですから、タチウオの泳層でさまざまなアクションをつけることができます。鋭い歯で傷みやすいので、最初は値段の安いルアーの中からいくつか違ったタイプを用意して、ヒットパターンを見つけてください。
 そして本命がソフトルアーです。ジグヘッドにエコギアのパワーシャッド5インチを装着します。色はプロの漁師さんも使っているパールグローがお勧め。ヘッドとフックに近い位置に ケミチューンワインド を差し込むとフッキング率が格段に高くなります。近くの釣具店にない場合は ケミホタル20 または ケミホタル25 をご利用ください。
 狙ったポイントをダイレクトに攻めるのがルアーの醍醐味です。光と影の境目でヒットする確率が高いので、その外側にキャストしてスローにリトリーブします。ただ引きでもジャークでもOK。向こう合わせのアタリが明確にでます。ケミホタル をルアーに装着することによって、ルアーの着水点が分かるだけではありません。タチウオは ケミホタル の小さな光を小魚の眼だと認識してアタックしてくるため確実にヒットが増えます。ケミチューンワインド はシーバスやメバリング、アジングなどのほか、クリアウォーターのバスにも有効なので覚えておくとよいでしょう。

ケミチューンワインド釣法

手軽に入門できて釣果もバツグンなのが、ジグヘッド+ワームの組合わせです。喰いが渋いときのスーパーテクニックが ケミホタル25 または ケミチューンワインド の装着。ケミチューンワインドは尖っているのでソフトルアーに簡単に差し込むことができます。

タチウオと魚探のステルスな関係

 タチウオはよく立って泳ぐと言われますが、水族館で観察する限り、立って泳ぐのは休息のときだけで、普段は尻尾が30度くらい下がった斜めの姿勢で泳いでいます。ウキブクロが小さくて浮力が乏しいので、推進力を落とすと体が自然に立ってしまうのです。沈まないためには常に背ビレを動かしている必要があり、本格的に休むときには流されないように海底に尻尾をつけているそうです。
 深海と沿岸を行き来する魚類にとってウキブクロはやっかいな問題を含んでいます。急に浮上すれば膨れすぎたウキブクロが口から飛び出してしまうし、急いで潜ろうとすれば浮力がジャマになり、深く潜りすぎれば水圧でつぶれてしまいます。深度に合わせて体内でガスを発生させて補充するのも面倒です。そのため深海に棲む魚類のウキブクロは退化して比重の軽い脂肪分で代用されることが多くなります。
 魚群探知機はウキブクロ内のガスと海水の密度差を利用して魚影を見つける仕組みなので、ウキブクロのない魚を映し出すことはできません。
 タチウオにウキブクロは残っていますが、その特徴的な体型のせいもあって魚群探知機に反応しにくい魚です。感度を上げてやっと見つけたとしても魚探からスッと消えてしまうため 「 ユウレイ魚 」 と呼ばれることがあります。

ちもとホタル - 世界最小の集魚ライト。2種類のアタッチメント付属!