〜 スズキ釣り実践編その1 具体的なスズキ攻略釣法を解説します! 〜

東京湾 データフィッシング / 解説 : ケミホタルフィールドスタッフ 斉藤知雄

《 斉藤知雄 プロフィール 》
● 東京ベイエリアで活躍する投げ物系アングラー。
● 品川シーバスフィッシングフリーク会長。
● ケミホタルフィールドスタッフ、クレハ契約プロ
● ゼニス、バスデイ、エクリプス、オーケー光学テスター

【 明確な季節変動 】

 ケミホタルフィールドスタッフの斉藤さんは、仲間たちと年間のべ390回のナイトシーバスに出かけ、月齢や潮時、ヒット時間など多くの情報を記録しました。月別釣果のグラフを見ると、スズキには年間2回のピークがあることが一目瞭然になります。中でも目につくのが4月の釣果。1〜3月までは計139回の釣行で106匹、1回あたり0.76匹の釣果だったのに、4月は91回の釣行で179匹の釣果を上げています。1回あたり1.97匹の高率になりますが、これはバチ抜けシーズンを迎えたためです。多少の変動はありますが、海水温21℃をバチ抜けの目安にしてください。
 夏が近づくと沖に出てしまうため、6月からの釣果は急激に落ち込み、7月はたったの1匹。8月にいたっては釣行ゼロです。夏が過ぎて9月になると15回で20匹と回復し、10月は26回の釣行で54匹を仕留めています。グラフには表れませんが10〜11月は産卵前の荒食い時期となり、良型揃いなのが特徴です。12〜1月は産卵のためまた外海に出るので釣果はよくありません。
【 潮回りとヒット率 】

 月の朔望1サイクルのうち、大潮と中潮の20日間 ( 66.6% ) で全釣果の71.8%に相当する333匹が釣れています。これは他の魚種にも見られる一般的な傾向ですが、やはり大潮〜中潮には成績がよく、潮があまり動かない小潮〜若潮は釣れにくいことが裏付けられました。( ただし例外的にアオリイカなどは遊泳力が弱いため、潮の速い日は釣れにくく、潮が緩むと喰いが立ちやすい傾向があります。 )

潮位は2010年3月の御前崎をモデルにしており、地形や季節によって大きな変動があります。たとえば大潮の満潮時には潮高が158cm、6時間後の干潮時には13cmなので差し引き145cmの潮位差があったことになります。しかし23日の小潮になると満潮の111cmに対して干潮が105cmもあり、その差はたった6cmしかありません。
【 スズキは下げてヒットする 】

 釣り上げた464匹を、ひとつの干満サイクルの、どの潮汐度で釣れたのかをプロットしてみました。このグラフからは、上げ潮での喰いがわるく、下げの1分〜2分にヒットが集中していることが見て取れます。潮が動かないときはピークがやや平均化されますが、大潮になると下げでの喰いの良さはさらに顕著になります。これはとくに湾奥で見られる現象ですが、満潮に乗って接岸した小魚を追ってスズキも接岸し、下げになって上流から落ちてくる小魚を待ち受けて補食するためです。ただし小サバなどの大きな群れが回遊してきたときは潮汐度にかかわらず釣れ続くことがあります。
 下げもピークを迎えると水深がなくなってしまい、陸っぱりでの釣りは難しくなります。そのため干潮時の釣果は立ち込み ( ウェーディング ) によって得たものです。
 全体的な結論としては、2〜6月にかけての大潮から中潮の潮回りで、満潮から下げに向かう時間帯がベストということになります。暦を見れば釣果を得やすい日を割り出せるので、まず潮回りで釣行日を決め、次に上げ下げの潮汐度で竿出しの時間を決めます。さらに水温と水深を考慮してポイントを絞り込んでください。
【 移動の理由 】

 海の魚は一年間の水温の周期的変化や、約30日間の月光量と潮汐のリズム、および毎日2回の干満のリズムの影響を受けて生活しています。スズキの場合はさらに、河川の流れ込みや潮流による流速の変化、天気や日射量による日ごとの水温変化、プランクトンと酸素量、雨による突発的な水位の変化、ベイトの種類や量、海中の明るさなど、じつに様々な外的要因に応じて頻繁に居場所を変えます。
 暗くなると活発に動いて補食を始めるので、釣行がタマズメから朝マズメに当っていれば、スズキを手中にできる確率は8〜9割にまで高まります。もちろん条件次第では昼間の釣りでも釣果を上げることが可能です。
 どの魚種にも共通することですが、魚がその時期、そのフィールドで喰い盛っている餌が一番いい餌です。現場に到着したら最初にベイトの種類を調べてください。

海の基本パターン

 太陽光線には紫外線が含まれており、基本的に魚種は直射日光に身を晒すことを嫌います。そのため深場は別として、朝夕の暗い時間帯や曇天、にごり潮の日などに活性が高くなるのが普通です。餌となる小魚の眼球は小さく、網膜が受け取る光の量が少ないため、陽が落ちればすぐに視界が利かなくなります。眼が大きな中・大型魚はこの時間帯を利用して小魚に襲いかかります。
 夜行性魚の第一の目的は策餌活動であり、スズキもまた、小魚の視界が制限されて、姿を見られにくい薄暮を利用して補食します。大きく成長した個体ほど眼球が大きいために暗視能力が高く、より暗い時間帯の活動が可能です。  スズキが小魚を攻撃するパターンはおもにふたつ。
 
【 @ 待ち伏せ攻撃 】

 障害物の陰にグレー色の体を隠し、近くにやってきた小魚を一気に吸い込むパターン。スズキの口にはくわえた獲物を噛み切るための門歯がありません。エラを大きく開けて口の内部に負圧を発生させ、生きた餌を海水ごと吸い込む仕組みなっています。近づいてきた小魚を補食できると判断したら、物陰からダッシュして海水ごと吸い込みます。瞬発力は必要ですが、持久力は必要とされない、まるで根魚のように省エネな補食スタイルです。このパターンのときは下から上方向に襲うので、ルアーを通すタナを考慮してください。
【 A 追尾攻撃 】

 獲物の後ろから、ある程度の距離を追いかけて補食するパターン。獲物をやや上回る程度のスピードで追尾するため、ルアーを観察する時間を与えてしまいます。
 唇で一度触って餌かどうか確かめるタイプの魚には、感触の柔らかいソフトルアーを使いますが、スズキは勢いよく吸い込むのでハードルアーでもハジかれることは多くありません。ただし、俊敏に逃げ回る小魚を捕捉できるスズキが、普通のスピードで動くルアーを追って来ながら、目前でバイトを止めたときには、ルアーが見破られた可能性があります。

川の基本パターン

 スズキは本来海水魚であり、純淡水域まで遡上できると言っても、実際には塩水クサビを利用していることが多いようです。堰のない大きな河川では100kmにも達するという、川底の塩水層を辿って遡上しますが、この塩水クサビは潮汐の影響を受けて、日ごとに到達距離が変化します。潮位が低いときにはあまり上流まで行けないはずだし、潮位が高いときには、それを見越して上流のポイントを設定することができます。
 上げ潮時には川の流れが緩くなりますが、ベイトは広範囲に散らばっているので、補食効率がよくありません。スズキはこの上げ潮を利用し、水深のある場所を伝わって川を遡ります。大潮の干潮時にでも川を見に行き、水筋がどこにあるか観察しておくといいでしょう。
 下げ潮になれば流れが速くなるので、ベイトは流れの緩いワンドやカーブの内側を通るようになります。スズキはこのとき、水深のある場所で頭を上流に向けたまま、流されてくるベイトを待ち受けています。そのためまずは、身を隠せる深みがあるポイントを探し出してください。ルアーを川上から流して行けばいつも同じポイントからヒットしてきます。
 上流域では流量のある瀬の際や、それに続く瀬尻、ヒラキ、淵など、ベイトが休める場所を狙います。もうこれ以上は上れなくなる堰堤下の淵は絶好のポイントです。


日本記録は計測不能!!

 マルスズキの日本記録は大分県の堅田川で釣られた126cm、13.14kgです。この川と合流する番匠川で2008年に134cmのタイリクスズキが上がりました。釣ったのは当時高校二年生の下川くんです。秋雨前線が通過した直後の夜8時半、ニゴリの中でフッキングさせ、近くの釣人の手を借りてようやくランディング。計量のため行きつけの釣具店に持ち込んだところあいにくの店休日です。つぎの釣具店では秤 ( はかり ) を振り切ってしまいました。このお店で冷凍をお願いし、後日60km離れた別の釣具店まで持って行きましたが、ここの20kg計も振り切る有り様。スタッフの方に支店に置いてあるクエ ( アラ ) 用の50kg計を運んできてもらい、再計測したところついに20.8kgとの結果が出ました。
 記録保持者の二人が通う釣具店のご主人によると、釣れたのは決して偶然ではなく、釣るべくして釣ったとのこと。でっかいチャンスに遭遇するだけの回数を通い、タックルの限界を引き出す技術を持っていたからこそ、生涯に一度の大物を手中にできたのです。

スズキのヤル気を引き出す ワインド釣法

 ルアーを左右にアクションさせることをダートと呼びます。従来から、ミノープラグを使った定速リトリーブの途中で、トゥッチやストップ&ゴーを入れて、魚の反射喰いを誘う方法は存在しました。しかしこれは単発の誘いに過ぎません。また軽いミノープラグで水深のあるエリアを攻略することは困難でした。
 そこで開発されたのが、重量のあるジグヘッド+ワームを使って、長い距離を連続ダートで誘い続けるワインド釣法です。ワインド釣法の誕生により、水深のあるエリアを狙ったデイゲームが可能になりました。リアクションバイトを誘発するダートを、沖から足元まで何十発も連続して見せるため、ヤル気がない昼間のスズキにも補食スイッチが入ってしまいます。
 
【 タックル 】

 当然のことながらワインド専用に作られたロッドが一番使いやすく疲労も少ないのですが、8ft前後のシーバスロッド ( L〜MLクラス ) やエギングロッドでも代用可能です。長く使うつもりならPEライン対応のロッドを選んでください。ダート中にガツンとくるヒットにアワセ切れしないよう、ラインは最低でもPE1号を使います。ルアーを呑み込まれることがあるので歯ズレ防止のショックリーダーを組んでください。
 
【 釣り方 】

 ワームをセットして遠投したらあとはテンポよくシャクるだけ。ハンドルを巻きながら1秒間に2回程度のピッチでシャクり続ければOKです。ルアーを引くのではなく、ロッドをあおって糸フケを取る感じにすると疲れません。
 人によってシャクり方には個性があるので、初めて挑戦する方はネットで動画をみて研究するといいでしょう。ワインドはジグヘッドに重量があるため非常によく飛びます。リアクションバイトの誘発はもちろんですが、つよい集魚効果を利用して、最初に広範囲から魚を集めておくことも可能です。
 ルアーフィッシングには、ルアーを獲物に見せるための明るさが必要であり、真っ暗になってしまえば釣果は期待できないものでした。ところがワインドなら、ワームに ケミホタル を仕込むことで、暗くなってからもアピールが可能です。スズキだけでなく、青物やタチウオなど様々な種類のフィッシュイーターに効果があるので、そこに獲物がいる限りは、いつまでも釣り続けることができます。






[ COLUMNS ] 俺の背後に立つな!

魚の眼は片方でほぼ180度の視野があり、両眼の視野が重なる正面方向の約30度だけが対象物を立体的に見ることができます。正面以外は片眼で見ているため、正確な距離を測ることはできません。しかし意外なことに、魚がエサの小魚を襲うとき、距離をしっかり把握できるはずの正面からだと失敗することが多いそうです。これは小魚が素直に食べられてくれないのがおもな原因です。岸辺や水面など逃げ場のない場所に追いつめたときは成功率も高くなりますが、広い場所で小魚を襲っても身をかわされることが殆どです。そこで多くの魚食魚 ( ぎょしょくぎょ ) は群れで小魚を襲うか、待ち受けていきなり吸い込むような奇襲攻撃をします。ピックアップの時のバイトが多いのは壁際まで追いつめて 「 逃げ場を封じた。シメタ! 」 と思うからに他なりません。 正面からの補食は効率がよくないとして、ではどの方向のエサなら上手に獲れるのか調べた実験では、斜め後ろを動いているエサであれば高い確率で補食できるという結果が出ていて、とくに待ち受け型の補食をする魚にこの傾向が顕著だそうです。動いている物体なら、眼で測距できなくても、側線感覚でおよその距離が判るのかも知れません。
スズキの得意ワザがこの 「 斜め後ろ反転喰いつき 」 。ルアーが正面を通ったときに無反応だった大物も、斜め後ろからだとリアクションバイトすることがあります。
リアクションバイトは、視覚 → 脳で判断 → 運動神経という通常のルートではなく、側線刺激 → 反射神経のルートで、脊髄が直接体をコントロールする動作です。激戦区のスレスズキにクリアやブラックの見えないルアーが有効なのも、視覚が効かないときに働く脊髄反射の仕業だと考えられます。

冬のスポーツ!! ボートで磯ヒラ

【 食卓はサラシの中 】

 ヒラスズキはサラシが発生するような岩場に居着きます。いる場所といない場所ははっきりしていますが、岬の先端で近くに外洋向きのサーフがあれば棲息している可能性が格段に高くなります。
 サーフにいるときのヒラスズキは、海底が潮の流れに沿って深くなっている駈け上がりの斜面を回遊しています。これは小魚を襲うとき、斜面によって行く手を遮り、逃げ場をなくすためです。
 側扁した体は遊泳力がつよく、移動が速くて居場所が判りづらいため、地形を読んで離岸流の場所を把握しない限り釣ることは困難です。
 磯のヒラスズキは海が荒れて波がモロに当たるような場所にはいません。ウネリがある日には体側に傷のあるヒラスズキが釣れることから、あまりつよい波は苦手だろうと思われます。水深が浅くて障害物の多い磯では潮流が増幅され、天候によっては強い波が打ち寄せてサラシをつくります。ヒラスズキは視界を遮ってくれるサラシの下に身を潜め、ベイトが通りかかるのを待ちかまえています。
 低気圧が近づいて海が荒れた日に喰いが立つスパルタンな釣りですが、ボートなら波裏のウネリのないところから釣ることができます。ショアの場合は必ずライフジャケットを着用し、二人以上での釣行を心がけてください。
 
【 シーズン 】

 ヒラスズキとマルスズキはシーズンが逆で冬場が旬になります。夏も釣れないことはないのですが、30℃もの高水温を嫌ってどこかに逃げてしまいます。いったいどこに行くのか、詳しい生態はよく判っていません。
 磯のヒラスズキが追っているのは群れたキビナゴやイワシ、コノシロなどです。春から梅雨明け、および秋から冬にかけてこれらのベイトが接岸します。荒食い時期である春のプレスポーンと秋のアフタースポーンに重なるので釣りやすくなります。水温があまりにも下がってしまう厳冬期は、限られた場所にしかベイトがいないため、出港してもノーフィッシュが多くなります。
 ボートでヒラスズキを狙える時期は地域によって違い、大分県南の蒲江では10月から3月末までがシーズンですが、これが対馬だと産卵のため磯に寄せてくる3月上旬から6月中旬がシーズンになります。北陸では6月と、飛んで11〜2月がベストシーズンです。
 
【 ポイント&条件 】

 波高2.5〜3mのウネリが最適とされますが、あまり波が高くてもポイントを絞りにくいので、風速10m未満を目安にしてください。干満差は小さいほうが望ましく、沖で波が崩れてサラシが広がりやすい下げ潮が適しています。水温は18℃を中心に16〜23℃が適温です。ヒラスズキは夜行性がつよいので、やはり朝マズメ&夕マズメの暗い時間帯によく釣れます。
 狙う場所は風とサラシの広がり具合で判断します。船底の平らな30ftほどのボートでベイトの溜まりそうな岩礁エリアに乗り入れ、舳先を波の来る方向に向けてからキャストします。ショアからだと沖から陸地側にルアーを引きます。ボートからだと逆で、沖向きに引くことになりますが、これが釣果に影響することはありません。当然のことながらボートは自由に移動できるのでキャストの方向を変えることが可能です。ウネリがあるときはシモリ ( 沈み根 ) の下手からキャストします。波が高いときでも島影などの安全なポイントで釣りができるのがボートのメリット。大きなサラシで最大10本。通常は3本も捕れれば上々の出来です。体長80cmで6kgを超えれば大物です。
 
【 狙いは水深1m! 】

 広いエリアを効率よく探るにはシャロー系で飛距離が出るルアーが適しています。ルアーマンが陥りがちなワナとして、飛距離が出るルアーを使うとついつい沖目を攻めてしまいがちですがこれは我慢しないといけません。
 ルアーはミノーが基本です。イワシのシルバーなどナチュラルカラーをメインにしてください。ミノーよりも下の層を狙うときや、風があるときは飛距離が出やすいバイブレーションを使います。根掛かりするときはトップに変更してください。
 眼がいい磯ヒラはドロ濁り中でも釣れます。濁りやサラシが濃いときは見切られにくいので、レッドヘッドや蛍光などの目立つ色も選択肢に入れてください。海藻の笹濁りのときにはパールホワイトも使えます。
 そのとき食べているエサが小さいときは、口をあまり大きく開けませんが、ベイトがコノシロのときには30cmの大型ルアーでも呑み込みます。磯では待ち伏せ型の補食をするので、フッキングしたときのルアーの向きはバラバラです。フックが一ヶ所だけのルアーは避けた方がいいでしょう。
 ロッドは取り回しよりもキャスティング性能を重視して、ボートにしては長めの8〜9ftを使用します。リールはシマノなら#3000、ダイワなら#2500で大丈夫。レバーブレーキは使いません。
 ラインはPEの1号が標準で0.8号や0.6号を使う人もいます。驚くような細さですが、暗い場所が好きなヒラスズキは、フッキングしてピンチになると深場に逃げ込む習性があります。自分からボートの方に寄ってくるので太いラインは必要ありません。
 リーダーは喰いには影響しません。長くすると風の抵抗で飛距離が出ないのでフロロ20lb ( 4〜6号 ) を1m以内にしてください。
 ルアーによってはフックの強度が不足しているのでご注意ください。川にいるスズキは浸透圧の関係からか、体は大きくても身肉のシマリが失われるので、一般的に海のスズキの方がパワフルだとされています。海のスズキでは居付き型より回遊型の方が運動量が豊富で、筋肉も充実しています。その回遊型マルスズキよりもはるかにパワフルなのがヒラスズキです。当然のことながら大物ほどトルクが強いため、フックが延ばされてバラす危険性が高くなります。ルアーを買ったときはフックの強度を試しておき、少しでも不安があるなら信頼のおけるフックに交換するようお勧めします。














《 みなの丸 》
⇒ http://www2.ocn.ne.jp/~minano/minano-main.htm
ボートでのヒラスズキの営業時間は10〜3月です。
大分県マリンカルチャーセンター横の元猿港より出港
お問い合わせは水本船長まで TEL : 090-3072-4702

ヒラは根魚

ヒラスズキはサラシの下で岩にピタリと貼り付いているため、どれだけ岩の近くをタイトに攻めるかで釣果が左右されます。浅場から深く落ち込んだポイント、岩と岩の間などに根掛かり覚悟でキャストしてください。
ドラグはキャストでは鳴らず、フッキングしたら鳴る程度に調整しておきます。水深1m位の場所を攻めるため、サラシが厚い方が警戒されません。サラシが薄いときは、波が厚くカブッた瞬間にルアーがポイントを通るようにタイミングを調整するのがコツです。
ルアーが着水したら竿を立ててラインが波に呑み込まれるのを防いでください。ルアーは基本タダ巻きでOK。足元に近寄ってくるにしたがって竿先を下げていきます。
昼間は目前を通さないとバイトにつながりません。警戒心がつよく、あまり何投もすると見切られるので、短期決戦を心がけてください。見切られないためには、ベイトがピョンと逃げるようなアクションで変化をつけます。
ヒットすればマルスズキに比べて3倍はトルクフルな引きを堪能できますが、青物ほどのスタミナはありません。締め込みは3〜5mと短くてマダイに似た感じですが、近くまで引き寄せたときに、ボートを見て逃げるので注意が必要です。
取り込み時のエラ洗いには、陸っぱりと同じく竿を寝かして対応してください。繊細なヒラはギャフで取り込むと傷んでしまいます。船に用意してある大型のタモを使い、リリースするのは体調のいいものだけにします。

ショアジギング

 重いジグではなく、普通のルアーを使ってもショアジギングと呼びます。” Jig ” とは本来、跳ねるとか踊るというアクションを指す言葉なので、理屈上はどんな材質のルアーを使おうと構わないわけです。
 磯釣りもショアも狙うポイントは同じですが、ルアーの方がいろんな場所を手返しよく攻めることができます。生き餌だと喰い込みはいいものの準備するのが大変、さらに弱るので面倒という事情があります。どちらにしても、波が高くてサラシが厳しいほど活性が高くなるので、泳いでも大丈夫なくらいの装備で臨んでください。お勧めはネオプレーン製の鮎タイツ。脚の動きが自由で浮力があり、足場に応じてスパイクまたはフェルトのシューズを選ぶことができます。ライフジャケットは腕の動きを妨げないもの。地磯の場合はロッドとギャフだけを持って行くことが多いのでポケットが多いと重宝します。
 現場ではサラシの色に注意してください。表層の波ではなくて底から動くウネリがある場所にキャストします。サラシが少ないときは岩の際を狙います。運がよければ70〜80cmの大物がヒットするのでタモに収めることはできず、ギャフを使って取り込みますが、瀬ズレなどで実際のキャッチ率は70〜80%まで下がってしまいます。一度バラしても同じポイントから喰ってくるので諦めず、足元まで注意してリトリーブしてください。
 
【 ロッド 】

 使用するルアーに応じたパワーのロッドを選びます。ハエ根があるとか足場が高いときにはブッコ抜きできるだけのパワーが必要になります。
 8〜9ftの2ピースロッドは軽くて空気抵抗が少なく、向かい風でも振り抜くことができます。活性が低いときに細かくレンジを探ったり、アクションを加えたりするのにも操作性に優れた専用ロッドが適しています。
 急流だと100gを超えるようなジグでも底を取れないことがありますが、10〜11ftのロングロッドなら120gでも遠投することができます。長くて自重があるので強風のときに振り抜くのは大変ですが、岩や沖根をかわすのには有利です。地磯に下りるときはコンパクトに収納できるテレスコピックタイプも視野に入れてください。両手が使える安心感は何物にも代えられません。
 
【 リール 】

 根に潜られないようにゴリ巻きするのでダイワなら3500〜4000番、シマノなら4000〜5000番クラスが必要になります。強風でスラックが出ることは避けられません。素早く糸フケを巻き取れるハイギアタイプを選んでください。
 
【 ライン 】

 投げの定番PEの2号〜4号を使いますが、喰い込みの良さを重視してナイロンを使う人が多いのが特徴です。リーダーもフロロ派とナイロン派に別れます。厳冬期のフロロは硬くて巻癖がつきやすいので、柔らかめの製品をやや長めに使うといいでしょう。伸びのあるナイロンはフッキングを補助してくれますが、あまり短いとクッションの役目が不十分になります。竿先で折り返してスプール内に入らない位置で止めるか、瀬ズレを嫌って3〜4ヒロ取る場合はガイド抜けのいいFGノットで結束することが重要です。
 
【 ルアー 】

 ベイトサイズに合わせて10cmから17cm位までを使い分けます。必要なのはタナ別にトップ系、ミノー系、バイブ系、ジグ系ですが、通常、狙うのは30〜40m先のポイントなのでフローティングミノーだけでもなんとかなります。朝、まだ暗いうちは瀬が見えないので、根掛かり回避のためトップから始めて、明るくなってからミノーに変えるといいでしょう。風があるときや深場、遠投用には自重のあるバイブレーションやジグミノー、ジグを使います。暗いときはパールホワイトや蛍光イエローなどの目立つカラー。日中はナチュラルかレッドヘッドが基本です。

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