長崎 平戸 宮の浦 Tの字〜珍宝瀬
Tの字:
先端がT字型をしているのでこの名がついた。
Aはこの先端を足場とする。クロは断然上げ潮が有利。それも七分目からで、右へ向かう上げ潮の流れ始めは立瀬のヘタにジャマされ、はっきりした動きを見せない。七分目を過ぎてようやく本流が走り出す。
マキエの投点は足元(エサ盗り用)と潮上(クロ用)の二か所。仕掛けは足元から竿三本沖までいろいろ投げてみて、食うところを探る。水深8〜10m、沖で12mと深いが、クロのウキ下は二ヒロ半で十分だ。海底は正月カブセからこの一帯にかけてテーブル大の大石が転がっている。
クロの型は600g級が中心で、1.6kgまで望める。好期は秋から1月いっぱい。ヒラマサも出る。竿出しは二人まで。
ただAの足場は低く、大潮満潮では凪でも波を被る。そのため潮位が上がってくればBまで後退し、そこから上げ潮のワイを釣る。やはりクロにヒラマサが出る。下げ潮は妨害するものがないからモロに左流れの本流が走る。この場合の釣り方は、Aから立瀬のヘタにぶつかるまでの間を流す。クロは中間で当たることが多い。上げ潮に比べて数が少ないのは、立瀬のヘタについている魚しか食わないからだ。
下げ潮のときはむしろ、A(潮位が上がればC)から、すぐ南側にある低い鼻とのワンドロでチヌを狙う方がよい。ワンドに入る潮と出てゆく潮が押し合って、結果的に仕掛けはじわっと沖へ出て行く。だからそれを止めたり引き戻したりして、できるだけ同じポイントを繰り返し攻める。ウキ下は二ヒロでよい。時期にはバリもここで当たる。

立瀬のヘタ:
足場は平坦だが、全体に低く、波が出るとすぐ被ってしまう。したがって凪日のみの釣場といえる。
ポイントは下げでA、上げはB。各二人ずつ竿が出せる。ここは圧倒的に下げ潮の方が釣果は上がっている。珍宝瀬の沖にある沈み瀬が狙えるからで、Aからは距離にして15〜20m程度だろうか。とにかく潮が早いから、足元に仕掛けを入れてもすぐ届いてしまう。
クロ、チヌはこの沈み瀬の際で当たる。チヌは乗っ込みの時期には2〜3sが、クロは1.5sも上がっている。クロの型がいいのは春。平均すると600g級が多い。
上げ潮の場合はこれといった沈み瀬がない関係で、クロはあまり数釣れない。またTの字に釣人がいたらアウト。まず釣りにならない。

珍宝瀬:
標高があり、以前はこれを立瀬と呼んでいた。現在の立瀬はその頃、沖の立瀬と呼ばれていたのだが、単に立瀬という通称が普及してしまったため、こちらは珍宝瀬という珍名がつけられてしまった。
竿出しは下げで二人。沖側にヒナ段状の足場があり、そこから南を向いて釣る。足元から一面沈み瀬だらけで、それが40〜50m沖まで続いており、魚は非常に多い。
ところが満潮前後はそうでもないが、潮位が低くなってくると普通の根掛かりしてしまう。そこでウキ下は二ヒロ程度と浅くし、道糸を張り気味にして流すよう心がける。同時に沈み瀬の間隙を縫って流れるように竿先で操作する。さらに、潮が速ければガン玉を下げ、緩めれば上げるというように細かい配慮が必要になる。
そして最大の問題が釣掛かりした後の処理にある。クロは一目散に沈み瀬に投げ込むから、腰の強いで魚の頭を強引にこちらへ向け、一気に巻き取ってやらないと、十中八九バラしてしまう。これはクロだけではなく、チヌの場合も同じようなことがいえる。遊ばせ過ぎると瀬ズレでバラすのは当然のことだ。
ハリスは3号が中心で、最低でも2号を使いたい。この一帯は何がくるのか分からないというところがあるから、たとえ沈み瀬のないポイントでも太めにしていた方が賢明だろう。はっきりいってベテランでも苦労する。初心者にはとても勧められない。
上げ潮は立瀬のヘタに向かうから、足元からその間を流すか、またはすぐ沖にある沈み瀬の際を狙う。とちらは主にチヌが当たる。ウキ下は二ヒロ半もあれば十分。立瀬のヘタ向きは足場が狭いので一人しかやれない。






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