黄金の泉 (出世の泉)

 明治33年、対馬南端の神埼灯台に常駐していた職員が生活する上で最も大切な飲料水を確保するため、灯台から約400メートル離れた山中に掘割井戸として作られた。
 今では利用されることはないが、絶えることなく麗水を湛え続け、静寂の中に時折響く水滴の音は、先人の苦労を語りかけているかのようである。
 また、最寄りの地元住民にも大切に守られ、長い歴史のなかで生まれた、井戸に纏わるロマンに満ちた出来事が語り継がれている。
〜黄金の泉の由来〜
  この井戸は神崎灯台に住み込みで勤務していた灯台職員及び家族の生活用水を得るために設けられたものです。昭和35年以前には、この井戸で得た水は地元豆酘で採用した水汲夫と呼ばれる人に背負われ、灯台まで運搬されておりました。
 この水汲夫が水汲みの余力を利用し、鮮魚運搬等の事業に着手したところ、これが成功し、島内屈指の実業家になったことから、誰と言うことなく、灯台の水汲みに携わる人には幸運が訪れると口囁かれるようになり、井戸は「黄金の泉」と称されるようになりました。
 また、灯台勤務者等関係者は井戸の水を飲む機会に巡り合い、その多くの者が社会的地位の高い役職に就いていることから、巷で「出世の泉」とも呼ばれいるところである。
 最近ではほとんど利用されることのない井戸ですが、地元の金井芳清氏などの協力を得て定期的に清掃を努めていますのでこの井戸を使用される方は汚さないで大切にしていただくようにお願いいたします。

平成8年11月1日
厳原海上保安部灯台課
電話(0920)52-0643

経路

@内院瀬渡し船〜神埼灯台〜黄金の泉〜山道〜浅藻(3.5km)

A浅藻〜山道〜黄金の泉〜神埼灯台〜瀬渡し船〜内院(4.5km)

B浅藻〜山道〜黄金の泉〜神埼灯台〜山道〜浅藻(陸路6km)

陸から徒歩片道2〜3時間。海からは内院港より第五若丸で5分!!

その他の見どころ
神崎(こうざき)灯台
正面

裏側
海軍特攻基地跡

松無浦の海軍特攻基地跡。穴が4つあります。

※穴の大きさ、奥行き
高さ:2m程度
奥行き:20m程度