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極意満載!! 瀬際のグレの狙い方 / 森方敏進
 夜グレ釣りの魅力は釣れるグレが昼間に比べて圧倒的に大型だということに尽きる。
昼間は警戒して岩陰にじっと魚体を潜め、海底まで落ちてくるコマセだけを拾い喰いしていた大型のグレも、夜の帳が下りて辺りに闇が漂い始めるとのっそりと岩陰から泳ぎ出て餌を漁るようになる。このグレを釣るのが夜グレ釣りである。一年中夜釣りをやっている僕の経験から言うと、本格的に夜グレを狙って釣果が上昇してくるのは9月からであり、11月から翌年の2月までが最大の釣期なのだが、釣場さえ選べば一年中夜釣りはできる。ここでは夜グレの基本スタイルとなるワンドや瀬際の釣り方について述べてみよう。

【 森方敏進 】
・ ケミホタルフィールドスタッフ
・ 九州磯釣連盟福岡支部
・ F・Cリバーサイド名誉会長
・ 全九州釣ライター協会代表幹事

【 餌盗り回避なら新月 】
 九州の海水温はここ100年で2.5℃も上昇したという。年々餌盗りが多くなっているので、夜ならばいつでも良いかというとそうでもなく、明るい満月の夜は釣りづらい。夜焚きの漁船が操業して磯場が照らされると餌盗りが集まってしまい、ツケ餌をかすめ盗られる一方でグレも警戒心を増幅させるので釣りにくくなる。したがって狙いとしては闇夜が最高である。しかし本当の闇夜となると周囲が全然何も見えない中での釣りになるので安全には必要以上に気を配り、危険な場所には ケミホタル50 を配置して足もとを常に確認しながら釣りすることが大切である。夜釣りが日中の釣りよりも危険なことはいうまでもない。足場のよくない磯で、波風がつよいときは必ず風裏のポイントに上礁することだ。

【 撒き餌は光るアミ 】
 五島列島の場合だと夜中の1時30分から2時頃の瀬上がりになるが、クチブトもオナガも時間は関係ない。普通のグレ釣場で夜8時くらいまでしか釣れないのは、夜になると居場所と釣り方が変わるからである。重要なのは潮であって潮の流れさえよければ瀬上がりしてすぐにでも喰ってくる。たとえば中五島の滝河原瀬戸は竿一本と浅くて夜グレのメッカなのだが、潮の流れが速いのでグレは一晩中動き廻っている。
 コマセには発光するアミを多めに混ぜるとよい。オキアミも新鮮であれば蛍光色に光ってみえるが、アミの方が光っている数が圧倒的に多い。ただしあまりアミを多くすると目立ちすぎて今度は餌盗りの標的になるのでバランスが肝心である。
 冬場、半夜で4時間夜釣りをして昼間も6時間程釣るなら沖アミ3kgにアミ6kg、これに沈降速度が異なる集魚剤を一袋ずつ加えて予め釣具店で混ぜておけば、釣場に着いて少量の海水を加えるだけですぐに釣りに入れる。水深のある場所ならバラけずに深くまで沈むよう固めに仕上げればいい。撒き餌はポイントに少量ずつ打ち込むのが基本である。潮流が早ければ潮上に多めに、深場にいるグレが浅場に上がってくるようにイメージして撒く。撒き餌が光れば流れ具合が見えるし、なによりもグレへのアピール力がメリットである。

【 付け餌は赤エビ 】
 付け餌は生の沖アミが基本だが、夜グレ用には赤エビの大きな剥き身が餌盗り対策に最適だと思う。赤エビは沖釣りのときに使用されるエビであり、芝海老とか打たせ海老という名称で魚屋さんに売られている。春先から店頭に並ぶようになるが、春が浅いほどエビは小さく、夏に向かうほどに型が大きくなる。
 売っているのを見つけたら大量に購入して殻を剥き、味の素を振りかけて1時間放置。キッチンペーパーでヌルヌルをきれいに拭き取ったら、大小に分けて50匹くらいずつラップに包んで冷凍庫に保管しておき、釣行毎に冷凍庫から引っ張り出して持参する。
 冷凍しておいた剥き身がなくなったときは釣具店で売っている「海海老中」と表示してあるものが同じ赤エビなのでこれを購入し、釣場で剥き身にして使う。もちろん、この赤エビの剥き身は夜釣りだけでなく、昼間のグレ釣り用の付け餌としても大いに威力を発揮してくれる。赤エビはキンギョやハタンポの口の中に入らない程に大きくて、落ちが早いために餌盗りの層の突破に役立つのである。

【 瀬際ギリギリを流す 】
 グレだって夜は目が見えないから、ケミブライトフック光の素 で付け餌を目立たせることが重要になる。ウキ下は大半の場合、ハリスだけの2mから2.5mでよい。付け餌がついた鈎をいかに瀬際に送り込むかがこの釣りの最大のポイントである。ハリスの上部にカミツブシを打っただけでは沖アミのような軽い付け餌は瀬際の岩根にピタリと沈下してくれず、ともすれば瀬際から外れてすぐに沖に出ようとする。これを阻止するのが ちもとホタル の灯りであり、常に ちもとホタル を頼りにして鈎の位置をコントロールしながら釣るのが瀬際の夜釣りである。
 どうしても付け餌が落ち着いてくれないときにはハリスに打ってあるカミツブシを ちもとホタル のすぐ上まで移動させてやれば仕掛けは容易に瀬際に入ってくれる。ところが沖アミではなく赤エビの剥き身を付け餌として使う場合は、赤エビの重さが効くのでカミツブシはハリスの上部に打ったままでも瀬際に入りやすい。
 大型のグレは磯カベがオーバーハングになった場所や、岩盤の下の隙間などに潜んでいる。これを少量ずつ打ち込んだコマセで刺激して活性化させ、2m〜2.5mまで浮上させて餌付かせるのが夜グレ釣りの王道である。
 ギリギリの瀬際から少しでも沖目に付け餌が出るとすぐにミナミハタンポやキンギョ、アジゴ等々の夜の餌盗りが飛びついてきてグレが釣れにくくなる。海水温が低い3月の上旬といえどもこの傾向があるので、瀬際ベッタリに付け餌を入れ込んで、その瀬際を潮流通りに仕掛けを流していって夜グレに喰わせるのだ。



【 アワセは強めに! 】
 クッ!と押さえ込まれた ウミホタル が、そのままゆっくりと磯根に沈んでいき、決して浮いてこないのがグレのアタリである。鋭く竿をハネ上げ、口の中に鈎を貫通させる思いで強めにアワセを入れる。鈎がかりしたグレは足もとに突っ込んでくるので竿は立てず、前に突きだした形で引きに耐えていると今度は一転して沖へと走って行く。もうこれで釣り上げたも同然である。
 安全のためキャップライトを点灯し、出来れば釣友に手網ですくい捕ってもらう。魚をすくうときはポイントを少々ライトで照らしても大丈夫だ。海を照らしてタモ入れしてもそこにグレがいればすぐに喰ってくる。大物が釣れたなら記念写真を撮っても全然問題ない。僕は取材の人のフラッシュがバチバチ光っても連続して釣れた経験が何度でもある。
 初めての磯に渡礁した場合、安全な高台に荷物を置き、キャップランプで丁寧に瀬際を照らして底の具合を確認してポイントを決める。釣座を決定したら磯の岩なりクーラーなりに座して釣りが出来るように道具類を配置する。しかる後、ゆっくりと丹念に瀬際をこするように ウミホタル を流していく。夜の大物とはこうやって釣るものなのだ。



 ナイトハンターは夜釣りのスペシャルウキ 
 ウミホタル の軸が全部ウキの中に差し込め、ラインスイベルも使わないから糸絡みがない。便利なことに5B以上は25と37が両方つかえるアダプター付きだ。僕は夜中に上礁して釣り始めたばかりで、マキエも打たずに ルミコ だけで釣れたことが何度もある。海の中で ルミコ に寄ってくるグレが水上の ウミホタル を警戒するなんてありえない。だから ウミホタル37 の光量で警戒されることは絶対にないが、もし気になるなら小型の ウミホタル25 を使えばいい。
 このウキは全ての号数で余浮力が3Bあるので、表示通りに5Bのガン玉をつければ、マイナス0・5号のアンカー水中とマイナスG2のウェイトスイベル、ハリスに打ったカミツブシの重さでシブシブの状態となってくれる。



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