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  ■イシダイ釣りをはじめよう  〜むずかしくない究極の磯釣り〜
第6回 「エサの種類」

 イシダイ釣りにおけるエサは、サザエ、トコブシ、アワビ、イセエビ、ウニ、赤貝、アサリ、カニ、ヤドカリなどがあります。でもこうやって列記すると、人間でも普段なかなか食べられない高級な海の幸ですよね。それはともかくとして、イシダイ釣りのエサは種類が多いだけに、そのエサの特徴を知っておく必要があります。


● 代表的なウニ


 ここ数年のイシダイ釣りではウニが主流となっています。ウニには南方系のシラガウニ、トゲが長いガンガゼ、直径1〜2センチのバフンウニなどがあって、これらを釣行場所や時期に合わせて使い分けます。このうちもっともオーソドックスで人気が高いのがガンガゼで、九州ではほぼ全域で使用されています。

【ガンガゼ】

トゲが長いもので30センチくらいある。通常はトゲをハサミで切り取り、殻付きのまま1〜2個をハリ掛けする。イシダイの食い込みは早い方で、前アタリの後、一気に突っ込むこともあるので油断は禁物。トゲには毒があるといわれ、刺されるとシビレることもあるので取り扱いには注意。
【バフンウニ】
他のウニに比べると小粒だが、北部九州や山陰地方ではイシダイの主力エサ。釣り場での管理や携行も比較的容易。ガンガゼは1個単位で売られているが、バフンは重量(通常はキロ単位)となる。日帰り釣行では1キロほど。
【シラガウニ】
鹿児島や沖縄では主流のエサ。殻が固いのでシンだけを取り出して、2〜3個をハリ掛けする。エサ取りにも強く、イシダイの食いもいいが、横でガンガゼを使われると弱いこともある。購入はキロ単位。



● ガンガゼでの使い方


 ガンガゼはすぐに弱るため、釣具店などで購入したら、バッカンか発砲の箱に入れ、中に氷を入れて密閉しておきます。このとき、氷が溶けて水が出ないように注意してください。簡単な方法は事前にペットボトルに水を入れて凍らせておき、それを氷の代わりに使うと水漏れの心配はありません。釣り場ではバッカンに海水を入れ、その中にガンガゼを入れて日陰などに置いておきます。ただし、海水は1時間に1回くらいの割合で取りかえること。同じ海水のままだとすぐに弱ってしまいます。

 実際のハリへの装着方法は、まずガンガゼをガンガゼバサミ(トングでOK)で掴み、ウニ切りバサミでトゲをカットします。エサ取りが多い場合はトゲは必ずしもカットする必要はありません。次に、ウニ通しを使ってガンガゼの中心を貫きハリスワイヤーに通します。ハリ先はガンガゼの殻に埋めておいてください。

 ここまで完了したら後は実釣に移るわけですが、ガンガゼは殻がもろいのであまり力んで投入すると、ハリから落ちることがあります。アタリの出方は、最初にツンツンとつつくような感じで竿先が叩かれ、徐々にアタリが大きくなって最後は完全に突っ込んでしまうというケースが多いようです。アワセのタイミングは、もちろん完全にイシダイがハリをくわえてからで、感覚的に「遅すぎる」くらいでちょうどいいと思います。バフンウニもシラガウニも全体的に遅アワセが基本で、早アワセによるスッポ抜けには十分注意してください。



● その他のエサの特徴

【サザエ】
イシダイ釣りでは古くから使われてきたエサ。殻をハンマーで割ってフタを取り、赤身と白身の間からハリを抜く。アタリは「イシダイの三段引き」といわれるくらい顕著だが、やはり遅アワセが基本。1日で2〜3キロを使うが、他のエサとの兼用ならば1キロ程度を持参する。
【赤貝】
春のエサではダントツの人気。とくに男女群島や薩南諸島では定番中の定番。エサ取りが少ないときはムキミにして5〜7個くらいを数珠掛けする。エサ取りが活発なときは粗割り、塩締めなどで対応する。1日に10〜20キロ。
【ヤドカリ】
一時期はヤドカリを確保できさえすれば、イシダイは釣れたも同然といわれてた。しかし、品薄のことや高価であるため、最近はガンガゼに人気を奪われた感がある。装着方法は殻を割ってヤドカリを取り出し、尻尾か口の部分からハリを入れる。エサ取りが多いときはエサ巻き用の糸(ストッキングの糸でもOK)で全体を軽く巻く。イシダイの食いは変わらない。



● エサの確保


 イシダイ釣りがクロやチヌなどの上物釣りのように一般に広がらないのはエサの確保という問題があるからです。とはいっても最近では釣具店や渡船が用意していることが多くなったので、以前のように自分で海に潜ったり、漁師の人と直接交渉して確保することはなくなりました。ただ、どのエサも生き物ゆえ、釣行の際には予約が必要で、いつも常備しているとは限りませんので注意してください。赤貝やガンガゼ、バフンウニは冷凍でも使えますが、家庭用では温度が高すぎるため、長期間の保存には向きません。

 それともうひとつ。イシダイのエサは現地(磯の上)にもよくあります。ジンガサ(マツバガイ)、磯ガニ、フジツボなどです。もし途中でエサがなくなった場合などは、試してみてください。

□ ガンガゼはトングで挟んでトゲをカット。反対側にある白いクチバシもカットしておくとワイヤーを通しやすくなる。

□ ウニ通しで真ん中を貫き、ハリスワイヤーを通す。通常はクチのある部分を下にセットする。

□ ハリ先をガンガゼに埋めて装着完了。慣れてもけっこう時間がかかるので、手返しよく釣るために2〜3セットを常に作っておきたい。

□ バフンウニはトゲが短いので容易にハリに装着できる。

□ ウニを使うとエサ取りに強いというメリットがあるが、夏から秋にかけては小型のイシガキダイが群れて、これがエサ取りとなる。同じ石物だけに厄介だ。
 
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