16 実践仕掛け - タチウオ編

 堤防から釣るときは、喰い込みに時間がかかるため、補食がヘタだと思われがちですが、すぐに呑み込まないのはアウェイである浅場に来て用心しているからです。本来の居場所と違って港湾近くでは、ナマリが重くても、ウキの余浮力が大きくても、不自然さを感じてエサを放してしまいます。仕掛けはできるだけ軽く、ウキもシブシブで使ってください。太刀魚船の船長さんが補食の様子を観察したところ、前進と後退、ストップを組み合わせてエサを少しずつ囓り取ったそうです。驚くべきことに体をローリングさせて短冊を捻り切ることもあったといいます。じつは相当にエサ取り上手な太刀魚。警戒心を解かせるためには、脂っこくてキラキラ光るエサを、生きているように動かして誘ってください。スレやすい魚なので、ほかの釣人と違う色の ケミホタル を使うのもコツです。

《 タチウオ 》
ウキ釣り

 太刀魚は日光に弱い魚です。夕方、まだ明るい時間帯から釣り始めるときは沖の深場を狙ってください。光量の大きなパワー太刀魚75 は遠くにいる太刀魚を引き寄せる目的で使います。近くまで来たときに警戒されないよう、エサから1mくらい上に付けてください。エサの近くは小さな光の ケミホタル25 でアピールします。太刀魚はエサを口にしたら少しの間ゆっくりと泳ぎます。このときラインを軽く張っていると、くわえたエサを呑み込むためにコンコンと頸を振るアクションが伝わってきます。この後、急にスピードを上げるので、竿を立てて走りを止めればハリ掛かりします。

ケミホタル太刀魚 - 太刀魚釣りの強い味方

《 タチウオ 》
遊動ウキ釣り

CHAP-ONななめ - 新発売のCHAP-ONななめウキは遠投が効くうえに潮乗りもよくて太刀魚の遊動仕掛けに最適のチューニングとなっています。

《 タチウオ 》
引き釣り

 太刀魚用のテンヤ仕掛けに、生きたドジョウなどのエサを針金で巻き付けて、海中を引きながら釣るのが引き釣りです。ルアーの機動性と活エサの喰い付きの良さ。両方のいい所がミックスされているので、ルアーでは無反応でも、引き釣りでヒットすることがよくあります。エサはドジョウのエサ持ちが一番ですが、付けるのが苦手な人はアジやイワシ、キビナゴでも代用できます。
 釣法はシンプル。遠投したら狙いのタナまでカウントダウンして、あとは1秒間に50cmくらいのスピードでゆっくりとリーリングするだけです。時折、竿を大きく煽ってリフト&フォールで誘ってください。

《 タチウオ 》
ライトタックル

 堤防から釣るときは、沖からやってきた太刀魚を足もと近くまで引きつけるのに、光量のある ケミホタル を使う必要があります。
 ところが船釣りだと、沖で元気よくベイトを追っている太刀魚の群れを魚探で見つけ、群れの真上から、群れの真ん中に仕掛けを落とす訳ですから、大きな ケミホタル を使う必要はありません。エサを見つけて貰うだけでいいので、小さな光の ケミホタル を使ってください。ルミコに付属している黒チューブ に穴を開けて ケミホタル25 にかぶせ、点発光状態で使うと大型魚に劇的な集魚効果を発揮します。ドラゴンを釣ってみたい方はぜひお試しください。

ケミホタル - 夜釣りはこれがないと始まらない

ピンクの誘惑

 光の三原色は赤と緑と青です。分光計で ケミホタルピンク のスペクトルを確認すると、赤色に大きなピークがあるものの、430nmをピークとする青紫色の成分と、480nmをピークとする黄緑色の成分も同時に光っていることが判ります。
 太刀魚の色覚についてはまだよく調べられていませんが、ほかの魚と同じように3色型の色覚があるとすれば、眼球内では、赤色を感じる視細胞だけでなく、緑を感じる視細胞も、青を感じる視細胞も同時に刺激されていることになります。
 実釣試験では抱卵した良型メスのヒット率が高かったピンク色。海水中では赤色の成分から先に減衰するので、遠くから見れば青色に、近づくにしたがって緑色からピンク色へと変化します。この色彩の変化に、経験豊かな大型太刀魚も好奇心を刺激されるのでしょうか。
 逆に、水中透過率が高いのは青色の光です。太刀魚が釣れている最中に 黄色いケミホタル から 「 太刀魚&いか50ブルーケイムラプラス 」 に替えてみたら、ヒットする数が多くなりました。夜の海中で一般的なのは、ホタルイカやウミホタルのように、青色に光る発光生物です。遠くまで誘引する効果はもちろん、自然界に存在する発光色なので警戒されにくい色だと考えられます。どちらの色も、コツは折って発光させたら、振って全体を光らせるのではなく、折った部分だけが小さく光っている状態で使うことです。

ケミホタル太刀魚 - 抜群の集魚効果! ピンク&ブルーもお試し下さい

《 タチウオ 》
ワインド釣法

 ソフトルアーを連続ダートさせて喰い気を誘うのがワインド釣法。短い間に手返しよく数を上げることができます。普通のハードルアーだと、陽が落ちてからは外灯のある港湾でしか釣ることができませんでした。しかし ケミチューンワインド を内蔵するワインド釣法なら、ルアーを見せるための外灯がなくても大丈夫!太刀魚の誘引に効果があるのはもちろん、ルアーがどこにあるか位置を知ることもできます。
 上手にダートさせるにはルアーのセッティングが重要です。釣る前に海面を早巻きしてみて、ルアーが真っ直ぐ自分に向かってくるように調整しておいてください。

ケミチューン ワインド - ワームに簡単! ネジ込み式

 ワインド用のジグヘッドは標準で約14gと重量があるので遠投が効くうえ、浅い層から深場まで手返しよく探ることができます。伸びがないPEラインに適したM~MLクラスのロッドを用意してください。ルアーをキャストして目的のタナまで沈めたら、ロッドを上下に煽るように動かしながらリーリングします。ロッドを下げるのを早目にしてラインスラッグを出せば、ルアーは自然にスライドしてくれます。夜だと太刀魚に喰い付かせるための間が必要なので、ゆっくりと巻けば大丈夫。完全に陽が落ちてからはアクションの緩やかな女性に釣果が出ることもしばしばです。

WIND用 PEラインWIND用 フロロカーボン も併せてご使用下さい