第10回 釣り場別攻略法

 前回まではイシダイ釣りにおける心構えや仕掛けなどについて解説してきましたが、今回は九州における代表的な釣り場での釣り方を説明したいと思います。ただし、各ポイントによって違いがあるため、必ずしもその釣り場に通じるとは断言できませんので、そこのところをご了解願います。

男女群島

 いわずと知れた全国ナンバーワンの釣り場です。イシダイの魚影の濃さではどこの釣り場にも勝っています。しかし、いくら男女とて釣り方がマッチしていなければ釣果を得られないこともあります。

 男女群島における釣り方は、足元狙いの南方宙釣りが基本です。まれに捨てオモリ式の仕掛けを使うこともありますが、ここでは手持ちで徹底的に攻めることが釣果を左右するため、やはり宙釣りが最適で置き竿では数を稼げません。

 釣り方は、まずポイントの状況(潮流、水深など)を確認したら、足元のカベ沿いに仕掛けを入れます。狙うタナは一概にはいえませんが、私の場合は最初に浅場を狙います。リールのカウントでいうと「7」や「8」くらいです。

 仮に水深が20mあっても同じで、いきなり海底まで仕掛けを下ろすことはほとんどありません。とくに潮流の速い釣り場では深く沈めても仕掛けが浮き上がるため、あまり効果はないようです。逆に潮が動かないときは海底まで仕掛けを入れる方がいいようで、俗に「潮止まりの一発」は、海底かその近くのタナでヒットすることが多いようです。

 ところで、初めて男女群島に釣行された方は、その複雑で速い潮流に翻弄され、なかなか思い通りに釣りができないと聞きます。確かに慣れないうちは難しく感じるかも知れませんが、じっくり探れば仕掛けの落ち着くところを発見できたり、時間の経過とともに潮行は落ち着いてきます。要は、そのチャンスをいかに自分で見極めるか、それが絶対条件。そして早合わせに気をつけて竿を出し続ければきっとイシダイは竿を絞り込んでくれます。

 なお、男女で数を稼ぐにはストリンガーは使わず、ドンゴロスが重宝します。時合いは長くて30分、そう覚えていてください。

男女群島はイシダイの宝庫。攻めのイシダイ釣りを楽しもう。

五島列島

 一口に五島といっても広大ゆえに釣り方もさまざまですが、ここ数年は足元釣りより中長距離(30~80m)を狙う遠投釣りが多くなりつつあります。これは以前のように足元までイシダイが寄らなくなったことが一因していると思われ、男女のように終日足元釣りで粘ってもなかなかアタリは見られません。ただ、同じポイントに数日間マキエを入れ続ければ足元でも釣果は十分望めますが、地元以外では難しく、結果として遠投に分があるといえるでしょう。

 私が五島に釣行する場合は、必ず宙釣り仕掛けと遠投仕掛けを準備し、釣り場によって使い分けていますが、上五島の宇久島や小値賀以外では遠投仕掛けを使う方が圧倒的に多くなりました。とくに中五島の佐尾や椛島などでは、遠投を取り入れたことにより、今まで誰も振り向かなかったポイントが開拓され、かなりのイシダイをモノにできました。しかも、遠投では連続でヒットすることが多く、昨年はイシガキばかりですが、半日で27枚も釣れ、この釣りの実力に驚いた次第です。

 五島でイシダイ釣りをマスターしたいなら、とにかくじっくりと出してみることです。できればフェリーなどを使って来島し、地元の渡船を利用して同じ釣り場に通えば、おのずと釣り方は見えてきます。今週は宇久島、来週は椛島というようにあちこちに行くより、ある程度マスターして次の釣り場に行くようにすると、必ずウデは上達します。

真冬でもイシダイ釣りはやめられない

玄界灘周辺

 宗像沖ノ島や馬渡島、あるいは平戸周辺の各釣り場では宙釣りを基本に考えていいと思います。仮に足元からダラダラと落ち込んでいる形状の磯に上がったとしても、宙釣りの応用で十分対処できます。不安があるなら捨てオモリ仕掛けも準備して、広範囲に探るとおもしろい結果が出るかもしれません。

七本縞が美しい。まさに磯の王者だ

 さて、10回にわたって綴ってきましたが、少しはイシダイ釣りをご理解していただけたでしょうか。とにかく「一度やったらやめられない」のがこの釣り。一日も早く底物師の仲間入りをしてください。

 それでは、次回は磯の上でお会いしましょう。