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マアジの仲間
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    メアジ属

【 メアジ 】 やや南方系で、マアジよりも体高があって眼が大きく、体側に黄色い縦縞があることが多い。エラブタを広げると、ネクタイの近くにツノのような肉質の突起があるので見分けは難しくない。よく見るとエラにある黒点部分の縁がへこんでいる。あまり馴染みがないため価格は安いが、鮮度と処理次第ではキアジと同等の食味が得られる。

    ムロアジ属

《 正直ムロアジには小離鰭 ( しょうりき ) がある 》
 ムロアジとは本来ムロアジ属のムロアジのことを指すが、釣りの現場ではほかのムロアジ属の魚をまとめてムロアジと呼ぶことがある。日本に6〜7種類が分布しており、なべて身が赤っぽくて脂肪分が少なく、鮮度も落ちやすいため干物などに加工されることが多い。尾柄部の上下には、マアジやメアジにはない小離鰭と呼ばれる小さな独立したヒレがあり、このヒレがあればいくらマアジに似ていようがムロアジの仲間である。マアジに比べると胴体が細くて丸みがあるのが特徴。中でもムロアジ、モロ、クサヤモロ、オアカムロの4種はとくに細長い。

【 ムロアジ 】 生きているうちは黄色い縦縞が見えることがある。側線のカーブが緩く、稜鱗も体の後半にしかないが、マアジも大型になると測線のカーブがムロアジと似てくるので間違いやすい。小離鰭を確認するか、または尾ビレの上半分が黄色いことで判別する。アオアジと呼ばれることが多い。
 
【 マルアジ 】 ムロアジ属では資源量が一番多く、マアジに次ぐ漁獲量がある。外見はマアジとよく似ているが、マアジほど体が扁平ではなく筒のように丸くてほっそりしている。死ぬと体色が青くなるため、これもアオアジと呼ばれることが多い。元気がいいので泳がせ釣りのエサにもってこいである。
 
【 アカアジ 】 関西ではマアジをアカアジと呼ぶことがあるが、本家のアカアジはマアジとよく似た体型ながら尾ビレと胸ビレが赤色をしている。ムロアジ属としては血合いが少なく、旬の時期の刺身は絶品とされる。千葉県外房以南の深場に分布。資源量は少ない。
 
 
【 オアカムロ 】 フラッシャーサビキでは定番のゲスト。腰の部分から尾ビレ全体まで赤く、ときおり体側にマイワシのような黒い斑点がでることがある。血合い部分が大きく、雑魚として扱われるため価格は安い。食味についての評価は大きく分かれる。
 
 
【 モロ 】 尾ビレの後縁が赤いこと以外はムロアジによく似ているが、体側に黄色い縦縞がないことで判別可能。漁獲量が少なく鮮度落ちも早いため、鮮魚として利用されることはあまりない。ムロとも呼ばれクサヤの原料になるが、味はクサヤモロより劣るとされる。
 
 
【 クサヤモロ 】 モロによく似ているが、尾ビレの褐色がつよく後縁の赤色がない。口吻もやや前方に突き出ている。体側によく目立つ青色の細い縦縞があるためアオムロともシロムロとも呼ばれる。その名の通りクサヤモロで作ったクサヤが一番の高級品である。



二種類のマアジ
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黒アジと黄アジ

 マアジという一つの種類の中に、回遊性のアジと、地付きで移動しないアジがいて、見た目や食味、価格までが違うために別々の名称で呼ばれています。生物学的に別種ということではありません。
 魚類が回遊する第一の目的は策餌であり、つぎが繁殖です。食料が豊富であればわざわざ厳しい旅に出る必要はありません。餌に恵まれた場所のキャパシティが限られていて、すべてのアジを養うことが出来ないため、エサを求めて回遊する群れが発生します。回遊の途中で住みやすい場所が見つかれば、一部が定着して地付きになるため、棲息域が異なる2つのタイプの間でDNAに違いはありません。マアジは餌を競合する他魚種との生き残り戦略として、回遊と地付きの両方に対応できるハイブリッドな生活スタイルを獲得しました。身肉の色も回遊魚の赤身と、定着魚の白身の中間にあたるピンクをしています。

地つきのキアジ

 アジには魚礁のように高さのある場所に定着しやすい性質があります。海底の面積の多くは砂漠のような不毛地帯ですが、岩礁などで小高く盛り上がっている「瀬」には餌生物を育む様々な海藻が着床し、岩の隙間には小エビやカニなどが潜んでいます。このような場所に定着して地つきとなったアジは、体全体に黄色がかっているため、キアジまたはキンアジと呼ばれます。
 日光が射し込む浅場には緑色の海藻が多いうえ、植物プランクトンが発生して海水の緑色が増し、日光の成分の中でも黄緑色の光が透過しやくなります。緑色があふれた環境での保護色として黄色っぽい体を獲得するのかと思われます。
 エサが豊富な場所で育った魚は脂肪分が多くてふっくらとした体型になります。瀬付きのアジは釣られやすいため流通量は少ないですが、食味がいいために各地でブランド化されています。

苦労が多いクロアジ

 一方、回遊性のアジは黒味がかった体色をしていることからクロアジと呼ばれます。海表のつよい紫外線を避けるために背中が青いのが青魚ですが、アジは成長すると水深100〜200mもの深場まで生息域を広げます。深場に棲むようになったアジは、口の中とネクタイの辺りが真っ黒に変色して、ノドグロと呼ばれることがあります。アカムツやクロシビカマスなどの例もあるように、水深のある場所に棲む魚のノドが黒くなるのは、暗い海中でエサの小魚を飲み込むときに暴れさせないためかもしれません。口の中が黒くて目立たなければ、小魚は自分の向いている方向が海だと思って素直に前に進んでくれます。
 餌の乏しい黒潮の中を泳ぎ続けるクロアジは、地つきのアジよりも体高が低くてスマートな体型をしています。地つきに比べると脂肪分が少ないので、食味についての評価はあまり高くありません。

黒ければ回遊性か

 魚の養殖にはコストがかかります。高値で売れる高級魚はともかく、そこらで獲ってくれば済むような大衆魚に向いた方法ではありません。したがってアジやイワシは鮮魚店での販売目的ではなく、高級魚の餌用か、またはヒラメやイカなどの泳がせ釣りの餌として養殖されるのが普通です。
 ところが瀬付きの高級アジの場合は、たくさん獲れたときに出荷時期を調整するためにイケスで畜養されることがあります。漁協近くの浅場で飼われるため、もとは黄色がかっていたキアジも日焼けして黒くなってしまいます。色が黒いからといって回遊性のクロアジとは限りません。


アジクラゲ
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頼りになるのは大クラゲ!

 漁師さん泣かせの巨大浮遊物、エチゼンクラゲの下にはよくカワハギが居着いています。カワハギは皮が硬くて毒が効かないのか、エチゼンクラゲを食料にしているのです。このことに気がついた北陸の漁師さんはクラゲでカワハギを寄せて捕らえる漁を考案しました。
 エボシダイもカツオノエボシの傘下で外敵を避けながら暮らし、エサがないときには宿主であるカツオノエボシの一部を食べてしまいます。マンボウはもっぱらクラゲを食べて成長します。このほか、サケ、マス、タラ、マダイ、サバ、イボダイ、マナガツオなどのクラゲ食が知られています。あまり栄養があるとは思えませんが、それだけに大量摂取する必要があるらしく体調30cmのマナガツオは1日に1kgものクラゲを食べるそうです。
 直接食べることはないと思われますが、アジの稚魚もエチゼンクラゲなどの大型クラゲが好きで、沖でいっしょに泳いでいることがあります。
 アジの稚魚はほかの魚種と比べてとくに遊泳力がつよいわけではなく、また浮遊に適した体型でもありません。沖を浮遊するクラゲといっしょにいれば、イソギンチャクに隠れるクマノミのように絶好の隠れ家を提供して貰えます。水槽内での飼育下ですが、外敵に襲われたアジの稚魚がミズクラゲの傘下に隠れることが観察されています。
 アジにはこのように浮遊物につく性質があり、大海を漂う流れ藻の下や、ときには天敵のサメにまとわりつくこともあるそうです。

クラゲが増えればアジも増える

 日光が海底まで届く沿海では豊富なエサが発生しますが、外洋の表層面にエサは多くありません。唯一、動物性プランクトンのカイアシ類 ( 註1 ) が沿海と同じ比率で分布しているくらいで、海水が透明であるほどエサは希薄になります。
 遊泳力が弱く潮にまかせて漂流するクラゲはプランクトンの仲間です。同じ波任せで浮遊するもの同士、隣を漂うカイアシ類を捕食するのは容易なことで、クラゲには微少生物の収集器としての機能があります。クラゲが食べているカイアシ類は、小魚が沿海で主食にしているカイアシ類よりもやや小型ですが、アジの仔魚にとっては食べ頃の大きさに違いありません。食糧の乏しい外洋でクラゲが集めた動物性プランクトンは願ってもない栄養源。アジの仔はエチゼンクラゲやミズクラゲが集めたカイアシを横取りして食べることにしました。( 註2 ) クラゲが触手に持っているカイアシどころか、すでに胃腔に入っている分まで奪って食べてしまうので、アジに取り付かれたエチゼンクラゲは栄養不足で痩せています。クラゲがアジの資源増加に貢献していることは間違いありません。統計上でも、漁網に入るエチゼンクラゲの量が多い年にはアジの漁獲量が多いことが確認されています。今後、海水温の上昇と沿海の富栄養価によってクラゲが増えることが予想されますが、クラゲが増えればアジの食糧源も増えることになります。

[ 註1 ] 体長0.5〜10mm程度の甲殻類で、脚をボートの櫂のように動かして泳ぐことからカイアシと呼ばれる。約12,000種の大グループであり、動物性プランクトン資源として重要。

[ 註2 ] 孵化したばかりの稚魚は遊泳力が乏しいためクラゲに食べられる。また、20mmを超えてエサを奪うまでに成長したアジの仔でも、夜になって眠ってしまえばクラゲに食べられる。
 どの魚種でもほぼ同じだが孵化後6mmまでは浮遊生物であるクラゲのエサになり、60mm程度に育つまでは中型魚のエサになる。60mm以上になれば遊泳力がつくため、他魚のエサになる機会は激減する。



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