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名前の由来 ・ 生息場所
分類
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名前の由来


 古くから人里近くの浅海にいて親しまれたため、クロダイには全国で50を超える地方名があります。ごく大ざっぱに言って西日本ではチヌと呼ばれ、東日本ではクロダイですが、現在ではほぼ全国的にチヌで通用するようです。

 関東では15cm以下の当歳魚をチンチンとかチンチンカイズ、25cmほどの2〜3歳魚をカイズまたはケイズ、およそ4年以上たった成魚をクロダイと呼びます。関西ではババタレ・ニサイを経てチヌと呼ばれるようになります。
 九州では40cmくらいまでがメイタ、それ以上がチヌです。体長40cmにまで成長するには8〜9年かかるそうです。
 6世紀頃、大阪南部の和泉の国が「茅渟(ちぬ)の国」と呼ばれていました。茅はカヤのこと、渟はヌタリと停滞した水を指しますから、「茅渟」とは葦などの茂った入江の湿地帯のことです。
 この茅渟の国の沖、和泉灘もまた茅渟ノ海と呼ばれていて、クロダイがたくさん釣れる名産地だったそうです。
 このことからクロダイのことをチヌと呼ぶようになったとされています。
 チヌは古くから「茅渟」「知沼」「血沼」「珍努」「鎮仁」、または「珍」(チン)と表記されていました。クロダイよりもチヌの方が優勢に見えますが、平安時代の「和名抄」には久呂太比(クロダヒ)の名前も登場します。




生息場所


 クロダイは内湾や河口部など汽水域を好む沿岸性の魚です。水質の汚濁や低塩分にきわめて強い耐性を持ち、淡水池で鯉といっしょに棲んでいることもあります。
 離島や沖磯の場合でも、雨水とともにエサが流れ込むような場所に居着くことが多いようです。
 体色がやや黒っぽい地付きのクロダイと、季節的な移動を行う回遊性のクロダイがいて、どちらもおよそ5〜6匹の群れで移動しています。50cm〜60cm級の大型になると普段は2〜3匹で、まれに10匹くらいの群れで行動します。
 乗っ込み時期になると大集団で移動するため、漁師さんの定置網に数百kgから1トンという単位で入ってしまうことがあります。
 体の大きさの割に尾ビレが小さく、切れ込みも浅いので遊泳力はあまりつよくありません。急な潮を好まず、緩やかな場所で海藻についたワレカラ(割殻:シャコに似た1〜3cm位の甲殻類)などを食べています。
 釣り餌が見えないほどガラ藻が密集した場所でも、根の周辺には隙間があってクロダイの魚道になっています。流れが速いときは藻が寝るのでクロダイは上に出てきます。藻の上に1mの潮があれば釣ることが可能です。


 ゴールデン黒鯛

2004年に長崎県で釣れた黄金色のクロダイ。
43cm・1.5kg。突然変移の一種ですが、目立つので外敵に襲われやすく、ここまで育つことは奇跡に近いとされます。

■ 写真提供 : えびす屋釣具店
佐賀県唐津市鏡3564
0955-77-2202


「 クロダイは性転換する 」
チヌは性転換する魚として有名ですが、性転換はなにもチヌだけの専売特許ではありません。ハタ、クマノミ、サクラダイ、タウナギなど、さまざまな魚種で性転換現象が見られ、ベラの一種では性が変わると体の模様まで変わってしまう徹底ぶりです。お掃除魚として有名なホンソメワケベラの場合、メスばかりの中に一匹だけオスがいるハーレム型の社会を作っていて、このオスを排除すると、大きめのメスが一匹、オスに性転換して群れのリーダーになります。
このように、メス→オスへの性転換が一般的なのですが、クロダイを含めてヘダイ亜科の魚は雄性先熟型というパターンで、オス→メスに性転換します。
2〜3才までは精巣が発達したオスですが、4〜5才になるとこんどは卵巣が成熟してメスになってしまいます。すべての個体ではありません。適齢期なのに雌性ホルモン(エストラジオール-17β=E2)が不足したオスはいつまでもオスのままです。





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