● ヤエンの釣り方
【 エサの取り付け 】
生かしバケツから取り出したアジは、弱らないように濡れタオルでくるんで持ちます。投入時の身切れを防ぐため、鈎を刺したらラインに輪をつくり、尾ビレの付け根にかけてください。鈎を刺す位置は尾ビレから2cmの下側です。ゼイゴの下部は血が出てアジが弱りやすいので浅く刺します。ゼイゴの上側に刺すとアジが潜って行きません。
アジの腹に空気が溜まると沈まないので、投入する前には腹部を指先でしごいて空気を抜いてやります。アジが潜らないときはオモリをつけて沈ませる方法もありますが、あまり重いと根掛かりするので、アジの大きさによって2〜4Bくらいで調節してください。また、胸ビレを少し切っても、遊泳力が落ちて底のほうで泳ぐようになります。どちらも弱りやすいのは避けられません。
【 エサの投入 】
あまり近くに入れるとヘチに寄って来るので山なりにドボンと放り込みます。
20cm級の中アジで20〜25mほど、大アジだと30m近く飛びますが、水面で叩かれて気絶することがあるので、ポイントが遠いときには無理せずに泳がせたほうがいいでしょう。
着水したら竿をあおってラインにフケをつくり、アジが潜りやすくしします。30秒ほどしたらベールをセットし、ユルユルのドラグのままラインを張ってください。アジの動きが穂先に出ていればOK。根に入られるとフグやウツボに目を喰われるので、数分ごとにラインを巻いて確認してください。
【 アタリ 】
イカがエサに抱きついたら、ジージーとスプールを逆転させてラインを引き出します。
このときにドラグを締めると放されることが多いので、エサを喰う場所に行くまで少し待ってください。アオリはほかのイカにエサを奪われないよう、シモリなど障害物のある場所でエサを喰います。放っておけば根掛かりするため、まず根を切っておくことが大切です。ラインが止まってエサを喰い始めたら、イカとエサの大きさ、水温やヤエンが届くまでの時間を考慮して、ヤエン発射のタイミングを決定します。これは5分が基準になります。カンをあてにすると早まるので必ず時計を使ってください。
【 引き寄せ 】
イカがエサに夢中になっている間に、ヤエンが届く距離まで悟られないように引き寄せます。イカが大きくてエサが小さいときは5分もあれば喰い尽くすものの、その逆のときや、活性が低いときには10分近くかかります。その間、ただ喰わすだけでは、ヤエンを入れたときに驚いて逃げてしまうので、糸を張ったり弛めたりして刺激に慣らしてください。グーっと引かれたときは、竿を下げると同時にラインをフリーにしてしのぎ、噴射を繰り返すようなら2〜3分待って落ち着かせます。
アオリイカは海中ではほぼ水平です。あまり上向きに引くと違和感を感じて放すため、竿先を水面近くまで下げて角度を浅くして引き寄せます。もしイカが放しても半分くらいはまた乗ってくるので、すぐに諦めずに数分は待ってみてください。
【 ヤエン発射 】
イカが10〜20mまで近づいて、ラインが45度くらい(高い堤防からの場合は60〜80度)
になればヤエンを投入できます。あまり遠くからだと、竿を一杯に立てても角度が緩くて届かないし、50mもあれば5分以上かかるのでタイミングを逃します。時間がきたらヤエンを口にくわえて竿を起こし、ラインを掴んでください。竿を脇に挟んでラインにヤエンをセットしたら即座に発射。空中を滑らせて水中に入るまでは左手のラインを動かさないこと。着水したらヤエンが安定するので竿を手にしても大丈夫です。
【 送り込み 】
ヤエンを入れたらある程度の速さでリーリングするか、イカにテンションをかけてラインを張っておかないとヤエンが海底まで沈んでしまいます。もし沈み瀬や海藻に引っかかったらロストです。ヤエンの号数と重さ、イカまでの距離にもよりますが、ヤエンが届くまで30秒から3分ほどかかるので、その間、イカに気づかれないようにヤエンを近づけていくことに集中してください。
【 ヤエンが止まったら 】
イカが遠すぎたりヤエンが重すぎたりすると、ヤエンがラインの途中でV型に吊り下がったまま進まなくなります。もし途中で止まってしまった場合、ヤエンを送るのを諦めて、イカをヤエンの場所まで引き寄せてください。スレたイカはエサを放しやすいものですが、自分が動けば、ヤエンは景色と一体化して動かないため、警戒心を抱かずにフッキングさせることができます。
【 アワセ 】
ヤエンが到達したら殆どのイカは驚いて走ります。そのまま逃げ出すことも、向こうアワセで掛かることもあります。少し待ってみてなにも起こらない場合は、張っていたラインをフッと弛めてから張りなおすと、掛け鈎が跳ね上がってフッキングします。グイグイと小刻みなアタリが伝わってきたら、竿を立てて常に一定のテンションをかけたまま、弾性を利用して足元まで寄せてください。
【 取り込み 】
テンションをかけたままにするため、タモを持って行くのではなくイカをタモ内に誘導してください。足の方向からすくうと驚いて抵抗しますが、死角になっている胴の先端から取り込めばジェット噴射して自分から入ってくれます。イカの胴体は袋状なので海水もいっしょに持ち上げることになります。これが大変重いため2kg以上の大型を狙うときはギャフを使った方が確実です。
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[ ケミホタルフィールドスタッフ ]
[ 福重喜竿坊 ]
大阪府茨木市在住。日本海側の舞鶴湾、内浦湾を中心に年間80日以上もイカ釣りに出撃。泳がせからエギングまでイカ釣りなら何でもござれのイカフリークである。 |
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アジを投入したらドラグを緩めておく。アタリがあれば、ぎょぎょライト の光が揺れてラインが出て行く。安心できる場所まで逃げたイカはエサを食べ始めるので、しばらく待ってリーリングを開始する。 |
イカの突然のダッシュに備えるため、竿を立てて慎重に引き寄せる。道糸が45度くらいになったらヤエン投入が可能だ。 |
ラインを緩め、竿を後ろに倒して道糸を掴む。追跡用の
ケミホタル25 を装着したヤエンを口にくわえて準備完了。 |
ヤエンを道糸に通して落とし込む。水面に到着するまではラインを持ったまま。ケミホタル25 の光を目安に、イカの場所までヤエンを送り込む。 |
ヤエンが無事にイカまで届いたら向こうアワセ待ち。またはラインを緩めてフックが刺さるように操作する。 |
逆噴射をしのいで、がっちり鈎掛かりしたら取り込み開始。タモに
ケミホタル を取り付けておくと、暗い海中でもタモ入れは万全だ。大型のイカほど海中で墨を吐く。下流にいるイカは警戒するので、墨の流れる方向に注意すること。 |
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