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『 特別企画 - 魚類の色覚大研究 』

【 魚類の色彩能力 】
 視覚は現在もっとも研究が進んでいる分野のひとつです。従来からのS電位による方法に加えて、眼球内で光を受けとるタンパク質を直接、生化学的・分子生物学的に解析できるようになって、非常に精度の高い研究が進められています。
 魚類の色覚の研究には、よくゼブラフィッシュという耳慣れない魚が使用されますが、これは容易に入手できて飼育しやすいことのほかに、魚体が透明なので神経配線が観察しやすいのが理由だそうです。現状ではまだシステムの全容解明に重点が置かれているため、とくに重要な魚種でないかぎり、最優先で研究されることは少ないようです。したがってメバルの色彩感覚について詳しいことはまだ判っていません。
 現状ではごく大まかにいうと、コイやサケなど浅い淡水域に由来する魚種の色覚は優れており、深海に生息する魚種は色彩よりも明暗に敏感であること。
 また、光量が多い沿岸域に棲む魚種には豊かな色彩能力があり、広い海原を回遊する魚種は、遠くの小魚を見つけるために青色の微妙な濃淡が判別できるようです。



 色覚とは、波長の異なる光を、色の違いとして感じる脳内の感覚のことです。
 それぞれの色は、それぞれ専門の視物質の生化学反応によって生じるため、視物質の種類が多いほど色覚が優れていることになります。
 もし視物質が1種類しかない場合は明暗だけの世界です。桿体細胞の働きで、暗い場所の微弱な光にも反応しますが、色まで判別することは出来ません。
 色を感じるのは錐体細胞の役目です。錐体細胞は充分な光量があるときに、特定の波長を色彩として感じる視細胞です。
 この細胞の内部には光を感じるオプシン(蛋白質)があって、たとえば530nm(ナノメートル)付近で反応するオプシンは、脳が緑色として感じる生化学物質を発生し、560nm付近で反応するオプシンは赤色に感じる物質を発生するわけです。



 霊長類以外の哺乳類は、明暗だけの桿体細胞、プラス1〜2色のオプシンしか持っていません。
 もともと哺乳類は、すでに存在していた大型動物から捕食されないように夜行性でスタートしました。そのため微弱な光を効率よく感じる桿体細胞が発達し、色彩を感じる錐体細胞が衰えてしまったのです。
 人類は一般の哺乳類から進化して、桿体+赤・緑・青の3種類のオプシンを持っています。森の中で昼間の生活を始めた人類は、樹木がよく見えるよう、緑色を中心にしたおよそ380nm〜770nmの範囲を感じとれるよう3原色型に進化してきました。ただし女性の約半数は遺伝的に赤色に二つの吸収波長ピークを持っているため、4原色視が可能です。暗赤色側の感受性が広いので、残り半数の女性、およびすべての男性には見えてない赤色が見えていることになります。
 魚類や両生類・爬虫類・鳥類は、赤・緑・青、さらに紫色に反応するオプシンを備えた4原色型です。
 意外にも生物の多くはこの4原色型が基本であり、哺乳類よりも幅広い色彩分別能力を持っているのです。



 海水が赤や黄色の光を吸収するため、海の中には青い光が満ちています。
 魚類はこの青色の世界で、物体のディティールを認識できるように進化してきました。
 人類は青色側をおよそ420nmまで感じますが、マダイやヘダイで368nm、コイやヒラメ、ホウボウ、ブルーギル、コバンザメでは337nmと、人間には見えない紫外線領域まで見ることができます。
 この、紫外線に対する感度は魚種によって差があり、現状ではコノシロやコショウダイ、クロダイは紫外線域まで見る能力はないとされています。



 魚類は哺乳類よりも視物質の種類が豊富です。水中には、浅くて光の豊富な場所もあれば、暗くて色彩の乏しい場所もあります。泥濁りで一寸先が見えない場所もあれば、季節によって動・植物プラントンが増減し、透明度が大きく変化する場所もあります。
 魚類はこのような、さまざまな環境に適応してきた結果、多様な視物質を手に入れたと考えられます。



 メバルは、明暗を判別する能力と、色彩を見分ける能力の両方が驚異的に発達した魚です。夜の海中でワームの存在に気がつくだけではありません。月のない夜、外灯のない堤防の外れでもワームの色をしっかりと見極めています。
 メバリングで、仕掛けも同じなら腕も同程度という状況下、ワームの色が違うだけで、釣果に大きな差が出た経験はありませんか。ケミホタル の光だけしか見えない真っ暗な海で、ワームの色を替えただけで入れ喰いした経験をお持ちではないでしょうか。
 または、喰い盛っている最中にワームの色を変えたら喰わなくなった。元の色に戻したらまた入れ喰いになった。
 これらの経験から、メバルは暗い海中でも色をしっかりと認識していることが判ります。



【 海の魚は青い色がよく見える 】



上記グラフには明暗だけを感じる桿体ドロプシンの視感度特性は載せていません。
また、曲線の高さは視細胞の吸収極大波長を正確に反映するものではありません。
* nm = ナノメーター / 1,000,000 nm = 1 o

【 見えない赤色 】
 青い海の中で、赤色のものは黒く見えます。海底に棲む生物に赤色が多いのは、赤い色素で青い光を吸収し、自分の体を目立たなくするのが目的です。透明度の高い、浅い海の生物はカラフルですが、深くなるにしたがって赤い生物が増えてきます。アラカブやマダイ、キンメダイなどのほか、ナマコもゴカイも赤色をしています。稚魚のエサとなる代表的な動物性プランクトンであるカラヌスも赤色です。
 すこし離れた場所から見るとこれらは黒く背景に溶け込んで見えます。ゴカイたちはカモフラージュしたつもりでも、赤い色、黒くて目立たない色にはエサの可能性があるため、メバルはこの色のワームが大好物です。
 魚類の赤色に対する反応は、浅い海と深い海で違ってきます。浅い場所は太陽光の成分である赤色がまだ豊富に含まれているため、そこに棲む魚類も赤色に反応しやすいのです。レッドヘッドのように赤色を使ったルアーは、バス・シーバス、シイラやカツオなど表層の魚によく効きます。GTのポッパーにも赤色がよく使われます。メバルのワームも赤が普遍的に万能です。ただし効果は常に一定というわけではありません。浅い海の場合、海水の透明度の変化が大きい上、周辺の動植物もカラフルなので、赤色の目立つ度合いが変わってくるのです。



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