ロックフィッシュを極める

エリア別攻略法 : ケーソン ~ 堤防もケーソンもヘチ&ヘチ底を釣る ~

ヘチとは「際」のことでケーソンの壁面スレスレを指す。壁面にはカメノテやフジツボが密集していて、その陰にはカニやエビなどのエサ生物が生息している。ロックフィッシュはそれらのエサ生物も食べるし、それらを食べにきた小魚も食べる。夜になると垂直な壁面に貼り付いて小魚がやってくるのを待ち構えているから、落とし込みで狙うといい。仕掛けが壁に引っかからないよう注意しながら、ヘチから20cm以内をキープするのがコツである。

■ ヘチ攻めはタテの釣りで!

ヘチを攻めるのに有利な釣り方はなんといってもフォールになる。つまり、ルアー(エサも含む)を上から下に落としていくのだ。これなら確実にケーソンすれすれにルアーを通すことができるし、魚が多いヘチ底も十分射程に入る。ジグヘッドにはスイミングタイプとラウンドタイプがある。ヘチやボトムを探るときはラウンドタイプがお勧めだ。

■ テクトロってなんだ?

左の図の右手に、テクトロを紹介している。これはテクテクと歩きながらトローリングさせるという意味で、速くアクションさせなければならないプラグでは無理。ワームだから可能なテクである。竿先を下げて歩きながら①のようにジグを引きずってやる。根掛かりが多い場合は②のようにボトムバンピングさせる。③④はその応用で、狙いのタナまでフォールさせてからワームを泳がせる。

■ エサ釣りではどうすればいい?

チヌの落とし込み釣りはやはりヘチを釣るもので、チヌ用のカニエサにはよくアイナメが食ってくる。ムシエサを使えばロックフィッシュのみならず、さまざまな魚が食ってくる。釣り方はほとんどジグヘッドと同じと思ってよい。ただ、エサ釣りならではの攻め方がある。それがタラシ釣りと呼ばれるもので、エサをヘチ底、またはその少し上に固定しておき、置き竿でアタリを待つというものだ。つまり、仕掛けを垂らしておくのだ。

■ ケーソンにも「変化」はある!

よく探せば単調な四角い箱であるケーソンにも変化は見つけられる。昼間は陽の当たらない場所に潜んでいるので隙間や物陰を見逃してはいけない。


ユラユラと沈んでいく平らなオモリに鈎がセットされたのがブラー。エサはイソメが中心だ。着底したら横方向に泳がせたり、上下にシャクって誘ったりと、使い方はカンタン。
ほかの人が釣りをしていたらその手前で必ず仕掛けを巻き取ろう。

エリア別攻略法 : テトラ ~ テトラに限らず岩の隙間にも応用可能 ~

テトラポッドの本来の役目は波のパワーを分散させることだが、隙間が多いことから漁礁としても非常に優れている。堤防の沖側に設置されたテトラ帯にはたくさんの魚が住み着いて、釣れるのは確実だけど、滑りやすいので注意が必要だ。大型テトラになると釣人が転落しても気づかれにくいし、コンクリートが複雑に絡みあっていて救助が難しい場所もある。

■ テトラでは穴釣りがメイン

テトラに住み着いている魚を釣り上げるには穴釣りが一番!穴は深いほど魚が多いので、まず底まで達している穴を見つけること。海底まで届いてない穴には魚が少なく、釣れたとしてもあとが続かない。魚は海底をベースに行動しているので、底まで届く穴なら釣っても次から次へと補充される。こんな穴を見つけたら自分だけの秘密スポットにして、次回来たときも真っ先に仕掛けを入れるといい。確実なのは穴釣りだがすぐ沖を流す方法もある。

■ テトラでは仕掛けを太めに

テトラにはロックフィッシュ以外にスズキやイシダイなども住み着いている。穴の周囲に逃げ込むのは一瞬だから、喰ったら即座に強引に巻き上げること。反応が遅れると取り込めない。根ズレ対策として仕掛けは頑丈に作っておく。根掛かりしたとき切るのは大変だけど、太いだけに無理やり外せることもある。

■ 夕マズメはテトラの前が狙い目だ

テトラの中ではただ上下させるだけのアクションがメインになるが、海中のテトラを攻略するときはスイミングとの複合ワザが面白い。テトラと砂地との境目までがポイントで、あまり上だとヒットしないし、落しすぎると根掛かりするのでコントロールが難しい。足場のわるいテトラの上からのキャストなのでバランスを崩さないように注意したい。

■ フォールには二通りある

上のイラストの①はラインをフリーにしてルアーを自然落下させる方法。②はラインを張って沈める方法でカーブフォールと呼ばれる。この方がルアーはゆっくりと沈むので魚を誘う効果が高い。とくに暗くなってからは魚にルアーを認識させるための余裕が必要になる。③はテトラに沿ってルアーを泳がせるときの攻め方。いったん着底させたルアーをリフトするときに少しだけ泳がせるだけでバイトのチャンスが確実に増える。

エリア別攻略法 : 捨石 ~ ロックフィッシュの住み家は捨石の隙間 ~

捨石は被覆石とも呼ばれ、ケーソンを支えている基礎石や周辺の砂が流出するのを防ぐ役目がある。不揃いな石組みの隙間が小魚や甲殻類などエサ生物の住み家となっていて、それらを狙うロックフィッシュの魚影も濃いのだが、ここで問題になるのが根掛り対策である。

■ 根掛り100%ならダウンショット

「障害物が多いほど魚も多いはずだ」。そう考えて根掛り覚悟で釣るものの、あまりに根掛りが多いと心が折れてしまう。そんなときに出番なのがダウンショットリグである。イシダイ釣りの捨てオモリ仕掛けと同じ方法で、根掛りしたときはシンカーだけを切り捨てて仕掛けの本体を救済しようというものだ。そのためダウンショット専用のシンカーはラインに結びコブを作るだけで簡単にセットできるようになっている。

エリア別攻略法 : 地磯 ~ 根掛り多発地帯をテキサスで攻める ~

磯は堤防と違って足場がわるくアクセスも困難なところが多い。しかしそれだけに釣り人が少なく、魚影が濃いのが魅力である。山越えをしてまで行くような場所なら釣り荒れしてなくて型もいいのだが、荷物を持っての移動がハードなので、まずは漁港に隣接した地磯でのデビューをお勧めしたい。気を付けなればいけないのは満潮の時間を把握しておくことだ。行きは渡れても、潮が満ちれば足場が水没して戻れなくなる。

■ 根掛かりさせずに捨石周りを釣る

ヘチを釣るときはリフト&フォールでタテに攻めたが、地磯や捨石を釣るときはヨコの動きで海底に潜んでいる魚にアピールする。ルアーがヒラヒラと落ちていく速度はシンカーの重さで調節可能だ。軽いほどゆっくり沈むのでアピールする時間が長いが、潮流が速いときにはポイントを外れやすくなるし、キャストして底を取るまでに時間がかかる欠点もある。仕掛けはテキサスリグがお勧めだ。フックの先をワームに埋め込むので根掛かりには滅法つよい。

■ エサ釣りならどう釣る?

エサ釣りでも底を狙うことに変わりはない。エサを着底させてトントンと叩くようにして誘うテクニックもあるが、それだと根掛かりは避けられないので、ウキ下を調節してエサが捨石のすぐ上を流れるようにする。沿岸では潮はヨコに流れることが多いので広い範囲を探ることができる。

エリア別攻略法 : ゴロタ場 ~ 石ゴロゴロの超浅場をいかに攻略するか!? ~

直径10㎝から30㎝程度のあまり角ばっていない石をゴロタ石と呼ぶ。ゴロタ石が広がった砂利底の場所がゴロタ場で、広い海岸になっていればゴロタ浜だ。砂がないのは潮流に洗われたからで、それだけ新鮮な潮が通す場所でもある。海藻も石の隙間も多くてエサ生物が豊富だから、水温の上がる夏場、沖の深場に落ちるはずのロックフィッシュが残っている可能性も高い。しかも、浅くて狙う人が少ないから魚はスレていない。

■ フローティングミノーで2重に攻める

超遠投をすれば別だが、一般的にゴロタ場は浅いのでタテに探ることはできない。必然的に水平方向に面で探ることになる。最初は水面を引いてくる。それでも海底との距離が近いから魚へのアピールは十分だ。ただし、岩の隙間に潜んだ魚が向いている方向によっては気が付いてもらえないので、ポイントの上をいろいろな方向から引き通す必要がある。それでヒットしないなら、海底の石の上を短くコツンコツンと叩くように引いてくる。浅ダナでプラグにバイトしてくると目に見えるので楽しめる。

■ 速い潮はヘビキャロで攻める

ゴロタ場は急潮エリアのことが多いので、仕掛けが流されないように10g以上のシンカーを使用する。沖のブレイクラインまで遠投することができるし、シンカーを軽くすれば通常のキャロライナリグに戻せる。狙い目はベイトの溜まりやすい反転流だ。明るいうちなら潮目を見れば分かるし、暗くなってからは水面の浮遊物の動きで判断する。シンカーで底を叩きつつ引いてくる間、ワームがユラユラと動いて誘ってくれる。

■ エサ釣りも遠投が基本

水深1mもあればウキ釣りができる理屈だが、よほど左右に流れる潮でない限り、刻々と変わっていく水深に合わせて海底をキープすることは難しい。そこで、石の隙間にいるカサゴ系は諦めて沖の深みで中層に浮いたメバルを狙う。メバルには、クロダイと同じように、エサをいったん口に入れても吐き出して確かめる習性がある。その微妙な前アタリをとるには感度の高いウキを使う必要がある。ウキの感度はウキ本体の質量によって決まるので、体積が少なくて慣性重量のない小型ウキを使うのが一番だ。トップにつけるのは軽い ケミホタル25か37 。遠投なら LEDウキ を使う。

エリア別攻略法 : 穴釣り ~ 魚の居場所をダイレクトに狙うから釣果は確実! ~

ロックフィッシュが潜んでいる岩と岩の隙間(穴)に、直接エサやルアーを落とし込むのが穴釣りだ。釣り方は簡単で、ただ上から下に落とす動作を繰り返すだけ。反射喰いを誘うからエサやルアーの種類はあまり問題にならない。魚の多い場所に当たれば短時間で2ケタ釣果が得られることも珍しくない。

■ 幅2m以上の穴ならアイスジグ

狭い穴の中でルアーをアピールするには持ち上げて落とすしかない。単純な上下の動きである。もちろんそれでも釣れるけど、アイスジグならロッドを上下動するだけで前後左右にアクションしてくれる。もともとは氷上でワカサギを狙うルアーなので小さいものだと2㎝くらいしかないけど、竿先をチョンチョンとシャクるだけで、竿の真下では8の字を書くように大きくアクションする。沖にキャストできるタイプを使って中層を探れば、ロックフィッシュ以外の魚種もヒットする。

■ 干潮時はポイントに近づきやすい

ほとんどのロックフィッシュは夜行性であり、暗くなるとエサを探すために穴から出て行ってしまう。つまり、穴の中を狙えるのは昼間だけということになる。干潮時に干上がってしまう場所に魚はいないから、干潮時でも水面下にある穴が狙い目だ。水深が30㎝あれば魚はいる。ヒタヒタの超浅場から釣れることもあるので、長竿を用意して水際を歩きながら穴という穴に仕掛けを落としていく。


干潮時にはポイントが丸見えになる。ウェーダーを着用すれば飛び岩に渡って広範囲を探ることもできる。

■ もちろんワームもOK!

硬い材質でできたハードルアーは口に触れた瞬間にニセモノだとバレてしまうが、柔らか素材のワームならバイトしている時間が長くなる。アクションさせる余裕がない狭い穴の中で使うなら、ゆっくり沈んで長い時間アピールできるクローワームが適している。水の抵抗を受けながらほとんど真下に沈んでいくので根掛りも少ない。

■ オモリ直下に鈎があるブラクリ

オモリ下のハリスを極端に短くしてピンポイントのコントールを可能にしたのがブラクリだ。根掛りが少ないため古くから人気のある釣法で、もちろん今でも問題なくよく釣れる。自作する場合は目立つように赤く塗装しておきたい。浅場の魚は赤い色によく反応するからである。

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