ロックフィッシュを極める

ボートに乗るなら覚えたい! プロのロープワーク

■ まき結び < クラブヒッチ > ~ パイプや杭にロープを固定する方法 ~

■ もやい結び < ボーラインノット > ~ 船の係留や、救助時にロープを自分の体に縛る方法 ~

根掛かり対策 ~ 諦めない! 仕掛けを切るのは最後の手段。 ~

ロックフィッシュを狙う以上、根掛りは避けて通れない。ポイントを果敢に攻めれば絶対に根掛りする。捨てオモリ仕掛けにして、投入するごとに切り捨てるくらいの気持ちで臨めば精神的なダメージを軽減できるが、それでは環境へのダメージが大きくなってしまう。根掛りにはオモリが岩の間に引っかかる場合と、鈎が掛かる場合があって、圧倒的に多いのは岩に挟まることだ。真上に引ける船釣りは、斜め上にしか引っ張れない陸っぱりより格段に有利だが、いずれの場合でも、根掛り自体を少なくすれば時間のロスも環境汚染も防げるうえ、釣果は確実に増える。

■ 鈎が掛かった場合

 トリプルならダブルにする。焼入れが甘くて伸びやすい鈎を使う。逆に、バネ性が高くて細軸の鈎を使う。または、鈎先が内側を向いたネムリ鈎を使う。ネムリ鈎はいったん呑ませてから唇にかける鈎だから掛けアワセには適さない。海藻の茎に掛かりにくいだけに魚への掛かりもあまり鋭敏ではないが、いったん掛かれば外れにくい。
 大きな重い鈎は沈みやすくて岩盤をこするので小鈎を使う。鈎は号数が小さいほど、フトコロが狭くなるので根掛りも少なくなり、小鈎に合わせてエサを小さくすれば、海中に浮きやすくなる。重くて沈むエサよりも根掛りは減る。エサから鈎先を出さないようにする。オフセットフックのように、エサが柔らかく沈むことで鈎先が出てフッキングする。いずれにせよ、根掛りしたあとはハリスの傷や鈎先の鋭さをチェックする一手間を惜しんではいけない。

■ オモリが引っかかった場合

ピクピクとラインを引く魚のアタリと違って、船が流れるにしたがって竿先が徐々におじぎを始めたら、それが根掛り開始の知らせである。そのままにしておくと完全に根掛りしてしまう。もちろん緩めずにグイっと引けば事態は確実に悪化する。こんなときは探るのを止めて、即座にラインを緩めてやる。オモリが岩の隙間に喰い込む前にテンションをなくせばそのまま下に落ちてくれるはずだ。ラインを緩めるときは、竿を突き出すようにアオればオモリが浮いて外れやすくなる。

ナイロンやフロロカーボンのラインは伸びるのでシャクる動きがオモリに伝わらない。丈夫なPEラインならダイレクトに力が伝わり、グラグラした振動でオモリが外れやすい。最後の手段で無理引きするときもラインが切れないのでオモリの回収率が高くなる。
岩礁そのものではなく、海藻に絡みついたら、PEならではの力ワザで根ごと引き剥がしてしまう。テンビン仕掛けは海藻に絡みやすいので、仕掛け全体が真っ直ぐな胴突きに変える。
先が膨らんだナス型オモリは隙間に入りやすく、クサビと同じで引けば引くほどガッチリと喰いこむ。丸型のほうが挟まりにくく、抜けやすい。ヒラメ用に50号以上の丸型中通しオモリが市販されている。根魚専用の棒型オモリやチューブ型オモリもある。
軽いオモリを使えば沈降スピードがゆっくりになって岩へのアタリが軽くなる。軽いオモリが使える状況であれば、鉛の代わりに、そのオモリと同じ重さの太い針金の頭部を丸めて環にし、本体を真っ直ぐなまま使えば、根掛りが激減するうえ、環境への負荷も小さくできる。
ナマリは柔らかいので岩に挟まると変形して接触面積が増えてしまうが、鉄製のオモリなら硬いので喰い込まずに跳ね返される。陸っぱりの場合は、タングステンのオモリを使えば比重が高いので体積を小さくでき、小さければ隙間をすり抜ける確率が高くなる。
さらに、オモリの頭にゴム管をかぶせるとクッションの役目をして喰い込みを防げる。深場の大きなオモリの場合は、石鯛釣りの真空オモリと同じように太いゴム管をかぶせるか、自転車用のタイヤチューブを巻きつければいい。
オモリが海底に接している時間を極力短くすること。もっとも重要なコツは、着底を確認した瞬間にラインのフケを取って、決してオモリを海底で横向きに寝かせないことだ。海底でオモリが立っていればどんな形のオモリでも根掛りが少なくなる。

ルミコの色の使い分け ~ ルミコの色は潮の色に合わせる ~

ルミコ は暗い海中で獲物を探す魚に、エサの位置を知らせるために開発された。人間にウキの状態を知らせるのが目的ではなく、人間の居場所近くまで捕食にやってきてナーバスになっている魚たちに警戒されないよう、生物発光の明るさに調整された化学発光体である。決して魚を驚かすことはないから、チモト上20cmくらいの位置に取り付けておけば、暗い中で仕掛けをつかむときに大変役に立つ。ルミコ には、その体積を利用して水中ウキとして仕掛けを潮に乗せる役目もあるが、潮流が速くて仕掛けが浮き上がるときにはG3~G5程度のガン玉で浮力を相殺するようお勧めする。
日光は海中で急激に減衰するので、通常で水深40m以上、明るい晴天や澄み潮でも水深80m以上から夜と同じくらいの暗さになる。反射を利用したミラーメッキやホログラムと違って、自発光する ルミコ が集魚効果を発揮する深さだ。

● グリーン

植物性プランクトンが多くて海の色が緑色っぽいときに遠くまで届く色。
ほかの色が海水に吸収され、緑の波長だけが残っているから、海が緑色に見えるのだ。だから、ルミコグリーンの光が吸収されずに遠くまで届いて集魚効果を発揮する。海の発光生物でも発光細菌を利用したタイプは黄色~緑色に光る。

● イエロー ( メバリング )

メバルやカサゴは明るい光を嫌わないから、ルミコシリーズの中では例外的に人間への見えやすさを優先して明るくしてある。ほかのルミコは5m程度だが、イエローなら20mくらい視認可能。曇天や夕暮れ時、視力の弱いカワハギはエサが見えなくなる。ルミコイエロー(メバリング)を点けた仕掛けにアタリが集中する。

● ブルー ( スズキ )

プランクトンが少ない外洋や澄み潮のときに遠くまで到達する色。
魚類の多くはブルーの光を一番よく感じるうえ、ウミホタルなど海の発光生物の多くは青色に光るので、ほとんどオールマイティで使用可能だ。富山湾周辺のホタルイカパターンでは、スズキやクロダイ、大型メバルやキジハタにも特効を発揮する。

● チヌ ( 淡緑色 )

警戒心がつよくてエサを一気に呑み込まないクロダイ専用に開発された。
さらに効果を上げるため、付属の黒チューブで点発光にして使いたい。エメラルド色の波長はイカにとっても一番見えやすい色だが、やや輝度不足なので、光量のあるケミホタル75と組み合わせて、エサのごく近くで使うと効果がある。

● オレンジ

オレンジもレッドもカレイ釣師たちの要望で商品化された。かつてカレイは昼間しか釣れない魚だったのに、ルミコオレンジが登場したことでカレイの夜釣りが開拓されたのだ。カレイが興味を持つようなオレンジ色のエサ生物は思いあたらないが、カレイの眼にオレンジや赤色まで見えていることの傍証になるだろう。

● レッド

長い間、中深海魚は赤色に対する感受性がないとされてきたが、最近では見えている魚類も結構いることが判ってきた。その例としてケミホタル75のレッドはスレた大型太刀魚やイカにも優れた集魚効果が出ている。ルミコレッドを点発光で使えば、ルビー色のエビの眼をイミテートできて根魚ほかアオリイカにも効く。

エサの種類と特徴 ~ ロックフィッシュがその時期食べているエサが一番! ~

海をライトで照らさないのが夜釣りの鉄則。ケミホタル をセットすればいちいちヘッドライトを点灯しなくてもエサを交換できるうえ、エサ箱自体も見つけやすい。生きアジを使うときも、ケミホタル6インチ をバケツの中に入れておけばフタを開けたときのビックリ飛び出しを防げる。

● アオムシ
自ら動いて誘ってくれるムシエサは入手しやすいうえによく釣れる。元気さを長く保つために細軸の鈎を使うが、短く切ってニオイを出すのもアリ。

● 生きエビ
生きたまま運ぶのにブクが必要になるが、ピンピンと動く波動が側線感度の高いメバルにアピールする。死なないよう脳を避けて鈎を刺すのがコツだ。

● 生きイカナゴ
沿岸にイカナゴが寄せてきたときはイカナゴ以外のエサに反応しなくなる。大きいので大型に狙いを絞って使うといい。死んでも使えるのでブクは必要ない。

● イカ
ワームの世界ではパールホワイトが鉄板カラーだ。白いので暗い海中でもよく目立つ。鈎持ちもいいし、柔らかいのでユラユラ揺れて誘ってくれる。

● 魚の切り身
サバやサンマ、ソーダガツオが一般的。ヒラヒラと動くように薄く短冊に切ってチョン掛けにする。アピールがつよいのはメタリックに光る腹部である。

● 鶏の皮
自然の海には存在しないのに昼間の浅場限定でよく釣れる。生のままでも、フォーミュラーに漬け込んでもOK。揺れやすいよう細くカットして使う。

● 小さなカニ
ヘチ際20cmを岸壁に貼りつかないように落とし込んでいく。ロックフィッシュ以外でカニを食べるのはクロダイくらいだから外道除けにも効果あり。

● フナムシ
エサ盗りにつよい。生きたまま背中の殻を貫通させて刺すと、たくさんの脚を元気よく動かすのでアピール満点!手の平で握って仮死させてもOK。

● ジンガサ
ウノアシなどカサガイの仲間は人間が食べても美味しい。身がしっかりしていて鈎外れしにくく、イシダイやクロダイのエサとしても人気がある。

● フジツボ
どこにでもあって採取が容易なうえ、身が柔らかいので喰いもいい。中身が小さいから大きなものを石でカチ割って取り出し、頭頂部を刺して使う。

● カメノテ
茹でて食べると感動するほど美味しい。皮を剥いてエサにすればカワハギやフグ、ベラなどの外道も食べくる。暇なときはカニを釣っても遊べる。

● ベラ
貪欲なのでよく釣れる外道。そこらの貝を割ってエサにし、ベラを釣って切り身にする。身肉が柔らかいため必ず皮つきで、皮側から鈎を刺して使う。

● カサゴ
小さなカサゴが釣れたら切り身にすれば鈎持ちがよく何匹でも釣れる。真鯛釣りで真鯛の切り身を使うとパニックになって逃げだすがカサゴ釣りならOKである。

● オイカワ
川まで釣りに行く必要はあるが、ウロコがよく光るので夜釣りでも船釣りでもアピール力抜群。海水でもすぐには弱らないし、生きてなくても喰う。